如月 氷花さん
のうた一覧
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さみしさが ならんだ夜の自販機で 百二十円のぬくもりを買う
平成二十六年一月二十九日
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新しいノートに文字を書く時は 生まれ変わった私になれる
平成二十五年十二月二十四日
9
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短冊に切った人参炒めつつ 帰りを待つに願い叶いし
平成二十七年七月六日
9
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自力では 種子を飛ばせぬ蒲公英の 他人事ではなくフッと吹きやる
平成二十五年十二月七日
8
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同窓会 綺麗なままの思い出と 汚れてしまった僕たちの夜
平成二十七年七月七日
8
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何時の世も人の縁は定めなく 出会い別れてまた地に還る
平成二十五年十二月十五日
7
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説明の 出来ない好きがあったって いいじゃないのと缶ビールを飲む
平成二十五年十月三十一日
6
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我が恋は観賞用の恋として 縁取られており触れてはいけぬ
平成二十五年十二月十二日
6
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シャボン玉の中に封じた悲しみよ 屋根まで飛んで空で弾けよ
平成二十五年十一月二十八日
5
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悲しみを一人で背負うために吸う 煙草を挟む指が愛しい
平成二十五年十一月二十八日
5
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月極の暦をびりりと破くよに 君は私を捨てて去り行く
平成二十五年十二月四日
5
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黒猫も 飛脚も来ない夜だから 明かり落として星と戯る
平成二十五年十二月十二日
5
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砂浜に 足で描いた文字のよに 残してほしい消されてほしい
平成二十六年四月四日
5
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薄氷に閉じ込めていた思い出が 桜の花弁にさらわれていく
平成二十六年四月六日
5
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生きていく ただ生きていくそれだけの事も上手くは出来ずに師走
平成二十五年十二月十五日
4
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もう君が記憶ではなく思い出に なりつつあってどこか寂しい
平成二十五年十二月十六日
4
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時差式の信号のように僕たちは 二人同時に青にはなれぬ
平成二十七年七月七日
4
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夕焼けの如くに沈め思い出よ 二度と浮かぶな 月が見ている
平成二十五年十月三十日
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寄せ返す 波が静かに攫いゆく 君が残した春色の貝
平成二十五年十一月四日
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あなたから聞きたい言葉は好きという言葉ではなく覚悟の言葉
平成二十五年十二月十六日
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