鍬乃呑さん
のうた一覧
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思い出を思い出しては飲む酒がいつしか悼む酒ばかりになる
平成二十九年十二月十三日
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骨ですら半年もすれば全くの新品なのに記憶ばかりが
平成二十九年十二月十二日
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汚れたと涙するのは何故だろう細胞もすぐに入れ替わるのに
平成二十九年十二月十二日
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ストーブにかけた鍋では静やかに肉と豆腐が小踊りをする
平成二十九年十二月九日
6
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歌という言い訳をでもしなければ気持ちはきっと捨ててしまうから
平成二十九年十二月五日
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何ができるわけでもなくてただ酒を飲んでいるのに忘れられない
平成二十九年十二月五日
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苦しみを苦しんでなお崩れずに美しいから夢のように見る
平成二十九年十二月五日
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地獄すら歩き続けるその足の痛みを俺も感じたいけど
平成二十九年十二月五日
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敗北の瞬間に歪む顔と頬を伝う涙にただ見惚れてた
平成二十九年十二月五日
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出鱈目を罪なく言えるほど自我を失っていれば君と話せる
平成二十九年十一月十五日
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貴方とは何者ですかと問われても酒も飲まずに言えるものかね
平成二十九年十一月十五日
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日が落ちて暗ければとても耐えられず灯りと酒を切に求める
平成二十九年十一月十五日
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何事か朗報がでも来ないかと読書をしたり居眠っている
平成二十九年十一月十五日
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あと少しもう少しだけこの先を見ていたいのに覚めて忘れる
平成二十九年十一月十五日
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燻されたような目をして昨日とは違う景色と人を見ている
平成二十九年十一月十四日
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いつかひとり寂しい夜に分け入った今では草も木も消えた森
平成二十九年十一月十四日
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苛立ちを苛立つだけで苛々と立ち去る人をすぐに忘れる
平成二十九年十一月十三日
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安心をしてもいいんだ躓いたことを踏まえて飛ぶこともある
平成二十九年十一月十二日
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ようやくに酒も回れば偉そうに短歌なんかを捻り出してる
平成二十九年十一月十二日
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不幸なら不幸じみてる顔をして遠慮してろと言われたんだろ
平成二十九年十一月十二日
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