こまりさん
のうた一覧
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青春が過去になり行く営みに悪あがき水切り石ひとつ
平成二十六年十月五日
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金曜の夜をかき分けゆくバスの灯りに街の平和を祈る
平成二十六年十月四日
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ジャガイモを潰す理由は明快でポテトサラダと今日の理不尽
平成二十六年十月二日
5
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熱っぽい頭でリンゴすりおろし、独り暮らしをかみしめる 午後
平成二十六年九月三十日
7
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先立ってまばらに落ちる雨粒の孤独がにじむ、甘い肌色
平成二十六年九月二十二日
3
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後悔と一人向き合う こんなもの カーペットの染みみたいなもんだよ
平成二十六年九月十四日
5
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清潔な少女の裸足に「さよなら」を告げて真っ赤なペディキュアひとひら
平成二十六年九月十三日
7
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日に焼けた肌のほてりが癒えるころ、あまねく夏の夢から醒める
平成二十六年九月四日
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心だけ桜のあの日にわだかまり他人事のよう、もう蝉が鳴く
平成二十六年七月二十二日
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梅雨空のあいだを縫ってゆく風はあの人のぬるい体温に似る
平成二十六年六月十四日
5
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無花果の実が裂けるよう、ああ君の、生きた時間の鮮やかなこと
平成二十六年六月十二日
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君のことだから春風飛び越えて三日月の端にでもいるんだろ
平成二十六年六月十二日
7
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ただ遠く見る鯉のぼり眩しくて、どっちつかずの今日このごろは
平成二十六年五月五日
3
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淡い海、柔らかな風、シャーベット、となりに貴方、過不足ない春
平成二十六年四月二十八日
5
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「絶望にはチーズケーキがよく似合う」コーヒーは程良く冷えきって
平成二十六年四月二十五日
2
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スポンジの柔らかささえ胡散臭い、深夜の食器洗いは孤独だ
平成二十六年一月三十日
2
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僕たちの残り時間はすいすいと君がタルトを平らげるまで
平成二十六年一月二十九日
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幾千の果たされなかった約束が溶かし込まれてコーヒーの味
平成二十六年一月二十六日
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巻き戻しボタンも停止ボタンもない仕方ないからこのまま告げます
平成二十六年一月二十四日
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心臓に口付けるような緊張と後ろめたさで林檎を齧る
平成二十六年一月二十三日
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