杏理さん
のうた一覧
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唯一の無ニのと言えど相対の中でだけつく息の色
平成二十五年八月十七日
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帳越し雲雀にあらず雉鳩や 吾十四の乙女ならずば
平成二十五年八月十七日
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雷に軒借りるぞとぞろぞろと遠慮を知らぬ小蟻どもなり
平成二十五年八月十七日
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朝ぼらけ腑の空々も愛おしく 満ちる刻とくとくと待ちをり
平成二十五年八月十七日
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泡弾け 世に目覚むるに捨て児とて 手枕喪くすは習ひならむや
平成二十五年八月十七日
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夏至過ぎて井戸の底より仰ぎみる天の如くに浮かぶ望月
平成二十五年八月十六日
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焼けた咽喉 明け方にひとり鳴らせども聴こえた声は幻なるか
平成二十五年八月十六日
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雨音の夜っぴていつかくぐもりぬ 水底に街は沈んで仕舞った
平成二十五年八月十六日
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われ孤児 独り寝に慣れし身なれば 包まる毛布に時計と共に
平成二十五年八月十六日
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夏の夜に開かれた窓を零れ出でヴェランダに貯まるラヂオの音色
平成二十五年八月十六日
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ひさかたの雨おきにける天下り 露負う花は何思うらむ
平成二十五年八月十三日
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祝わざる年越しなれど 来光に澄む今日の日はいとど貴し
平成二十五年二月十七日
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ないまぜの思いで弾く特急券 ふるさと持たぬひとを横目に
平成二十五年二月十五日
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どろどろり 私の知らぬ人語る 君美しさに溶けろ目の玉
平成二十五年二月十五日
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遠い日に陰口聞きし幼友 弱音を吐くが歯痒く愛し
平成二十五年二月十五日
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右腿にとくとくと脈の打つ感じ 心臓の行方見失う感じ
平成二十五年二月十五日
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従うも逆らうも同じ娘なら母の教えは呪いの如く
平成二十五年二月十二日
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たわぶれにしたたむれども気がつきて宛てたる人の名を打ち消しぬ
平成二十五年二月六日
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うだるには及ばねど眩し昼下がり 詠みし歌更けて心地悪気に
平成二十五年二月六日
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ざんばらに紅さしもせで霧雨を ゆく日傘のレエス昏さよ
平成二十五年二月六日
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