茂作のお気に入りの歌一覧
へし切
たんぽぽの綿毛は空に憧れぬ吹いてくれぬか行きずりの人よ
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笹舟
真夜中に幾重に張るや蜘蛛の網 恢恢たれば月を逃さず
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滝川昌之
初月給もらう次男が欲しいものないかと訊くが泣けて言えない
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ななかまど
窓染める樹々の緑の濃くなりて八十八夜の別れ霜かな
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横井 信
ひさびさの朝日に揺れるひなげしの花に雫のきらりと光る
11
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へし切
外は雨 内に籠りて雨音を聞きつ 暫しく思い出の中
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恵雪
万葉集栞のページに遠距離の我が身重ねし相聞歌有り
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ななかまど
霧雨に首をすくめる峰桜せめて散りたし青空の下
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滝川昌之
この雨は田畑潤す雨だから女子の化粧水ごとく滲み込め
13
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敦希
幼きは花の盛りもゆく末も思い至らず蜜舐めつ捨て
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美生子
人生のゴールはいつか見えてくる桜ながめてあせらず行こう
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横井 信
降り出した雨に打たれてヒメジョオンちょっとうつむき花が揺れてる
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滝川昌之
新緑を小さな胸に溜めこんで親の燕は子育ての帰巣
14
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へし切
老いぬれば恋する齢にあらぬ身の無き名たててはあらじとぞ思ふ
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恵雪
街灯の下で雨夜の青もみじ葉先の雫ひかり清けき
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恣翁
春の夜の出で湯に浮けば 魂だにも 海月のやうに揺蕩へるかも
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ななかまど
心臓の悲鳴を何度も宥めつつ三角点にさわれば嬉し
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横井 信
柔らかく芽吹く若葉は朝に降る雨の雫をやさしく弾く
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へし切
吾が宿の狭庭に 牡丹咲きにけり 花の姿に君を偲ばゆ
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恵雪
いつの世も人の苦悩は如何ばかり 曼荼羅が説く仏の救ひ
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