千葉 甫のお気に入りの歌一覧
恣翁
水注せば 五徳の上の鉄瓶は 忽ち鳴りを潜めつるかな
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滝川昌之
ひらがなで名前の書かれた裏表紙そんな絵本に会う古書店で
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彫出 画
うたた寝の毛布の重みに眼が覚めて不意に感じる妻の優しさ
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恣翁
降り募る雨音 家を包み込み 水中に似て遠くに聞こゆ
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横井 信
柔らかい土のかおりの草を抜く梅雨の晴れ間に初蝉の声
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滝川昌之
明け方の立ち食い蕎麦で一日を終えてゆく人始まりの人
18
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天野まどか
訪う人も無いまま朽ちる廃屋の記憶が揺れる庭のブランコ
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滝川昌之
風邪の妻やっと寝かせてやれやれと音たてぬよう粥の片づけ
20
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横井 信
煙立つ刈田に残るひこばえのみどりの揺れる晩秋の朝
15
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艸介
山茶花の垣根にそつて歩くとき 落葉焚く火のまぼろしを嗅ぐ
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恣翁
冬立ちて 障子を透す残照は 寒々しかる色を投げけり
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滝川昌之
冠雪が徐々に融けゆく夏富士の五月はプリンのカラメルくらい
19
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恣翁
生垣の卯の花の白 雨に濡れ 若葉の碧に鮮やかに映ゆ
14
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滝川昌之
砂抜きのアサリが足掻く水鉄砲ふきとる床に潮の香遺し
20
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恣翁
春の日に 杭に繋がれ ゆらゆらと 眠げに揺るる矢切の渡船
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滝川昌之
ターミナル駅で群がり奪い合う侍ジャパンの快挙の号外
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滝川昌之
被災地に干支が一周戻りきて戻れぬ人を忘れえぬまま
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茂作
切り拔きの新聞記事が氣に掛かる 妻の心の知らない部分
20
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へし切
ふるさとに幼馴染みはすでに亡く 望む景色のままに懐かし
20
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滝川昌之
仕事より大事な妻の誕生日やっと思えた定年間近
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