千葉 甫のお気に入りの歌一覧
滝川昌之
風邪の妻やっと寝かせてやれやれと音たてぬよう粥の片づけ
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横井 信
煙立つ刈田に残るひこばえのみどりの揺れる晩秋の朝
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艸介
山茶花の垣根にそつて歩くとき 落葉焚く火のまぼろしを嗅ぐ
13
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恣翁
冬立ちて 障子を透す残照は 寒々しかる色を投げけり
12
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滝川昌之
冠雪が徐々に融けゆく夏富士の五月はプリンのカラメルくらい
19
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恣翁
生垣の卯の花の白 雨に濡れ 若葉の碧に鮮やかに映ゆ
14
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滝川昌之
砂抜きのアサリが足掻く水鉄砲ふきとる床に潮の香遺し
20
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恣翁
春の日に 杭に繋がれ ゆらゆらと 眠げに揺るる矢切の渡船
14
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滝川昌之
ターミナル駅で群がり奪い合う侍ジャパンの快挙の号外
18
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滝川昌之
被災地に干支が一周戻りきて戻れぬ人を忘れえぬまま
21
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茂作
切り拔きの新聞記事が氣に掛かる 妻の心の知らない部分
20
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へし切
ふるさとに幼馴染みはすでに亡く 望む景色のままに懐かし
20
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滝川昌之
仕事より大事な妻の誕生日やっと思えた定年間近
18
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恣翁
黄昏の濃くなる部屋の四隅より 寒さのしんと拡ごらるなり
22
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あぶく
譲り受く母の日傘の裏地には小傷のちさき繕ひのあり
16
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滝川昌之
いつの間に血筋のいい犬ばかり増え雑種という種の絶滅を危惧
12
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滝川昌之
背負っては剛を制した三四郎 惜しまれつ散る桜の時季に
20
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横井 信
寝転がりページをめくる うたた寝に耳に残るは雨だれの音
10
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滝川昌之
永年の勤続表彰 花束はそのまま妻への中継とする
18
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桃山
外出のついでに済ますあれこれを箇条書きしてバッグにしまう
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