夏嶋 真子のお気に入りの歌一覧
羽
ほんとうの痛みは歌に詠めなくて過ぎたかなしみばかり振り向く
37
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向日葵
いつだって満たされていたストーブの灯油は父の不器用な愛
33
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三沢左右
舞ひ融けては目にもあだしき白雪の跡もはかなの君が心よ
17
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飯田彩乃
滿月のもと抱かれれば滄海の果てにはじまる珊瑚の産卵
13
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浅草大将
冬こもり春待つ文をかき起こす人の心に消えぬうづみ火
22
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飯田彩乃
「願わくばあなたがほしい」間をあけてそっと付け足す「生死は問わず」
31
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飯田彩乃
きみが陽に透かす琥珀に眠るその虫の死骸もわたしの前世
20
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たえなかすず
ほらきれい 春の星座が軌道逸れ恋じゃないそれ恋じゃないって
5
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ふきのとう
水無月に色きそい合う紫陽花の藍の濃ければ心染まりぬ
21
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加祢
うつろひし糸の心に聞きゐれば八重にひらける花の色見ゆ
27
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二斎
朝霜の道の靜寂を消しまほしバスを待つ身は絶えず揺らめき
4
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三沢左右
夏とてか常葉の青に似るは無き 澄める空行く十代の魂
30
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たんぽぽすずめ。
道脇に碧き星つぶ散りばめる桔梗と抱く秋の朝風
23
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羽
利き腕のちがうあなたと手をつなぐ大事なものを持ち寄るように
26
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たえなかすず
全円になるや楽章第五番今日の彼女はアナスイの靴
6
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さとうはな
菜の花を積んだ自転車 三月のみどりのみちを切り開いてく
17
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きりあ
悴む左手差し出して吾の右手へ合はせる仕草に六花咲き散る
8
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山桃
鳥の歌ふそのかなしみを知らざれば幼年のまま果つる蓑虫
18
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羽
あたたかな午前の鉢に水をやる見守ることの既視感のなか
11
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芳立
「兵隊さん水をください」「水をくれ」「水、水、水」と変はりゆく声
26
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