水島寒月さん
のうた一覧
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時刻表小さき数字のその内に旅の思い出読み返すかな
平成二十二年五月六日
3
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なにとなき詩とは思えど赤い鳥早や三代を歌い継がれ来
平成二十二年五月五日
2
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今日もまた詮無きことを言う人のありて会議は予定を過ぐる
平成二十二年五月五日
2
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思い出に笑い転げて弟の遺影に集う七回忌かな
平成二十二年五月五日
6
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鳴かぬなら鳴かずともよしほととぎす汝れには汝れの都合あるらん
平成二十二年五月五日
3
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無造作に我れ取り上ぐる花瓶より落つ山百合の花びらの色
平成二十二年五月五日
3
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おかあちゃん小さく声に出してみん我れは幼のままであるべし
平成二十二年五月四日
4
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車窓より見やる浜名湖浮く舟に真白き人の立ちつ座りつ
平成二十二年五月四日
4
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春雨は降りしく我れを諭すごと諍いの根は己れにありと
平成二十二年五月四日
5
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病妻は眠りおるらん読みさしの本腹這いて静かに開く
平成二十二年五月四日
9
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失敗をせいちょうと読む人のいてされど色気はあると打ち明く
平成二十二年五月四日
2
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父母の若かりし日の馴れ初めを奇に知りたき誕生日かな
平成二十二年五月三日
2
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職退かれし上原さんが丹精のビオラは咲きて春風を受く
平成二十二年五月三日
4
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菜の花の苦みも深き暮れ方は灯り点して酒飲まんとす
平成二十二年五月三日
8
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冷めた茶を呷るがごとき頼りなさ師走曇天風なかりけり
平成二十二年五月三日
4
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北風に運ばれて舞う風花の落つると見えてまた舞いにけり
平成二十二年五月三日
4
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嘴太き鴉はのっと飛び立てり僅かその身を沈めしのちに
平成二十二年五月二日
5
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この腹に据ゑ兼ねしこと屁とともに春風に乘せひり出したきも
平成二十二年五月二日
1
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小綬鶏の規則正しく鳴く声を間近に聞きて早桃を食む
平成二十二年五月二日
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あなたとふたりで来た丘はなど口ずさみつつ登る谷戸坂
平成二十二年五月二日
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