水島寒月さん
のうた一覧
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散りかかる桜くぐりて登りゆく坂のうへなる夕焼けのいろ
平成二十三年四月十六日
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少年のわれに拳固を下されし先生も早や世に亡きひとか
平成二十三年四月十六日
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大人にはなりたくもなしなれもせず低く校歌を口ずさみたり
平成二十三年四月十六日
5
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すつくりと噛めば立ちくる春の香の焼き筍のゆふべうれしき
平成二十三年四月十五日
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風なきに散りかかりくる花びらに宥められつつ坂登りたり
平成二十三年四月十五日
5
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見上ぐればはや葉桜となりにけりこころ忙しくわれ生きをれば
平成二十三年四月十五日
4
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散る時を知るや散りゆく桜花また来る春をわれに約せよ
平成二十三年四月十一日
5
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散る花の音の清けきさらさらと思へばとほく来てしまひけり
平成二十三年四月八日
3
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春を告ぐる魚が鰊の異名なるをラジオに知りて疾く書き留めぬ
平成二十三年四月七日
1
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駅を降りてたこやきを焼く屋台見ゆ経木の匂ひわれに好もし
平成二十三年四月七日
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ぼんやりと鏡の中にかをの在りてどうやらこれが俺であるらし
平成二十三年四月七日
3
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幾千の命を抱きて干されたる柳葉魚とふ名の平たき小うを
平成二十三年四月六日
5
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ゆるやかにうねる険しき坂道の中ほどに立つ桜の古木
平成二十三年四月五日
3
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うぐひすの笹鳴きを聞く日の午後か甲斐なき事を思はざるべし
平成二十三年四月四日
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風暗き冬はやうやく去りにしが春切なけれ思ひのほかと
平成二十三年四月四日
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黄のいろは冴えざえとして池のはたに喇叭水仙揺れゐるを見つ
平成二十三年四月四日
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去るひとの在りて切なき桜花われの想ひを映しつつ散れ
平成二十三年四月二日
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睡蓮の葉を束の間と震はせて真鯉のひとつ泳ぎゆきけり
平成二十三年三月二十九日
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諍ひて泥水のごとき我がこころ抱きて眠るうす青きへや
平成二十三年三月二十九日
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浅き流れに春のめだかは泳ぎをりだれが生徒か先生なるや
平成二十三年三月二十七日
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