水島寒月さん
のうた一覧
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片付かぬ気掛かりひとつ抱えつつ城の下なる古道をゆく
平成二十二年五月十日
4
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巻末に年譜を繰れば痛風の診断受けいし中原中也
平成二十二年五月十日
1
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しっとりと木目に触るる心地して調べやさしき歌読みたれば
平成二十二年五月十日
4
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色付ける銀杏紅葉を金色の鳥と喩えしうた人のあり
平成二十二年五月九日
1
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遥かなる時間を超えて瞬ける星ひとつ見ゆ名は知らねども
平成二十二年五月九日
7
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心地よき揺れに揺れつつ駅弁の掛け紙をいま外したところ
平成二十二年五月九日
2
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深きことあくまで深きみどりごの瞳に我れは何と映らん
平成二十二年五月九日
5
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くれないの日日草は今朝もまたひとつ蕾をほどかんとして
平成二十二年五月八日
6
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静けさのひときわ深き初秋の夜闇は我れを引き込まんとす
平成二十二年五月八日
3
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おのおのは物云わぬこそ貴けれ目高は春の水に群れおり
平成二十二年五月八日
4
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何やかやみな詰まらなき思いして紫烟吹き附く高空にまで
平成二十二年五月八日
5
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八重桜枝垂るるばかり咲き盛り若い女のはぎ白きかな
平成二十二年五月八日
1
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名を呼べば何やら床し秋桜の揺るる夕べとなりにけるかも
平成二十二年五月七日
5
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明日がこと昨日がことは思うなと米国野球の格言なりや
平成二十二年五月七日
1
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自転車で追い越しゆける少年らの背にそれぞれの背番号読む
平成二十二年五月七日
3
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何ごとの無かったごとく天竜は息深くして海へと至る
平成二十二年五月七日
5
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ちごちごの碑に咲く翁草そを手植えしは誰やのひとか
平成二十二年五月六日
2
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その幹を抱けるがごと空蝉よ汝れは何処の枝に鳴くらむ
平成二十二年五月六日
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時刻表小さき数字のその内に旅の思い出読み返すかな
平成二十二年五月六日
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なにとなき詩とは思えど赤い鳥早や三代を歌い継がれ来
平成二十二年五月五日
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