水島寒月さん
のうた一覧
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電柱をいま過ぎるらし靴音が君の帰りを連れて近づく
平成二十二年六月六日
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槙の木のむこうに夏の雲湧きぬ白磁のごとき雲であるかな
平成二十二年六月四日
5
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また夢になるといかぬと碗を置く所作もぴたりと三木助演ず
平成二十二年六月四日
1
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わずかづつ明るみを増す明けのそら眺めて居たりこころ弱りて
平成二十二年六月四日
2
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ブラームスのバラードなどを聴いて居り秋深みゆく夜にしあれば
平成二十二年六月三日
2
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仰向いて舗道に在りし玉虫の指で返せば歩き出すかな
平成二十二年六月三日
3
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深々と歌い出したる導入はクラリネットの薄黒き色
平成二十二年六月三日
11
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冷ややかに光を返す移植ごて取りぬすずめを埋めんとして
平成二十二年六月三日
2
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ただひとり緑に噎せて立つ庭は文学館の静寂のうち
平成二十二年六月二日
2
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昼の虫銀木犀の木の下に潜み鳴きけり牧水を読む
平成二十二年六月二日
2
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幾許かの温かみさえ漂わせ桜のまちに大会終わる
平成二十二年六月二日
1
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降り止まぬ氷雨に濡れて白梅は甘やかな香を低く流して
平成二十二年六月二日
5
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しんしんと冷え沁み徹る夜半の冬手のひらほどのココアの温み
平成二十二年六月一日
6
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明け方に鴉の声の間近きを床の中よりただ聞いて居り
平成二十二年六月一日
3
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アイロンをかけいる君の傍らに我れ長ながと転がりて居り
平成二十二年六月一日
2
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先生の印象などを語りつつはじめての町の居酒屋に居り
平成二十二年六月一日
3
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ほろほろと試飲の酒に酔いながら小さき薔薇の鉢求めけり
平成二十二年五月三十一日
6
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黒松に梯子懸けいる職人の手仕事見つつ記念館辞す
平成二十二年五月三十一日
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鰻焼く一首を読まば山椒の香ぞ思わるる抗い難く
平成二十二年五月三十一日
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見上ぐればモネの日傘の空の色何を為すまい今日のひと日を
平成二十二年五月三十一日
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