水島寒月さん
のうた一覧
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プランターに植ゑられし紅葉ひともとの秋ともなれば色づきにけり
平成二十二年十一月二日
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はなといふやさしき音のつぶやきに彼奴がことは忘れてしまへ
平成二十二年十一月一日
4
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あかときの夢に来たりし見も知らぬ女が脛の白きを想へり
平成二十二年十一月一日
1
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銀杏を噛めばこころのしみじみと秋の底ひに沈みゆきけり
平成二十二年十月二十九日
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清しさは喩へば朱きひなげしのただ咲くために咲きゐるごとき
平成二十二年十月二十九日
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暗き路を傘に雨風しのぎつつ通夜に行かむと裾濡らしけり
平成二十二年十月二十八日
4
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雨止みの並木の道を行きたれば桜もみぢの香はにほひくる
平成二十二年十月二十八日
4
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成長の早き胡瓜は日に二遍収穫するをテレビに知れり
平成二十二年十月二十六日
1
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交換の上り列車を待ちながらときに車掌は桜を見やる
平成二十二年十月二十六日
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妹の字に妻とふ意味のあるを知り万葉集をふたたび開く
平成二十二年十月二十六日
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末枯れたる百日紅の枝先にわづかに残るくれなゐの花
平成二十二年十月二十五日
5
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煽られて花梨の枝の折れたれば青あをまろきその実をもぎぬ
平成二十二年十月二十五日
3
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陰嚢をひとつ股間に提げにけりなべて男の哀しかるべし
平成二十二年十月二十五日
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中空を飛び違ひゆく鴉らの声枯らすまで鳴き交はしつつ
平成二十二年十月二十四日
2
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夕暮れてひとひら落とす珊瑚樹の枯れ葉の音ぞ大きかりける
平成二十二年十月二十一日
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コツプ酒呷りて今宵缶詰のさば崩しをり立ち飮みの家
平成二十二年十月二十一日
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絹さやの色冴えざえと肉どうふ妻は小鉢にしあはせを盛る
平成二十二年十月二十日
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枕べにちひさき時計欲りし父に間に合はざりきちひさき時計
平成二十二年十月十九日
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納棺をし終へて父の額を撫づ初めて触れきその高き額に
平成二十二年十月十九日
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冴えざえと丹沢の峰秋に在りてその向こうより雲は湧きくる
平成二十二年十月十八日
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