芳立さん
のうた一覧
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夏至る世のことわりをあざ嗤ひ暴れ繁れる道の青草
令和元年六月二十二日
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朝夕も分かぬに重き雲切れて梅雨のあひまを満たす白さよ
令和元年六月十七日
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居るべきか立ちゆくべきか梅雨寒ののちに来む世はなにと知られず
令和元年六月十日
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いのちあれば種をまくよりほかはなし生ひゆかむもの立ち枯れむもの
令和元年六月六日
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終はりつつ目覚めを知らぬ夢のごと五月の空は明転しゆく
令和元年五月三十日
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病める葉も虫に食はるる葉もともに育ちゆくべしひまはりの子ら
令和元年五月二十九日
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君もまた君のかたちをあらはせよけやき若葉の繁りくるころ
令和元年五月二十一日
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わが胸の土の底まではつ夏のけやき並木はざわめかせたり
令和元年五月十六日
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めぐり見れば昔ならねど早苗田におりたつ鷺の白き翼は
令和元年五月十日
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なにとなく早く起きみむ心なきわが庭にさへひなげしの咲く
令和元年五月八日
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代掻きを終へて田の面に南より風が薫ればさざなみの立つ
令和元年五月六日
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風薫るころと思へば夏ちかき狭山の丘は青々とせり
令和元年五月二日
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春の夜の浮かれ心は酔ひ明かし遅霜のおく朝のしづけさ
平成三十一年四月二十六日
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御仏は十のかたがた慈しむ涙とぬるき春雨のころ
平成三十一年四月二十四日
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きたるべき折には折のいろどりの花咲かせむと土をいぢれり
平成三十一年四月二十二日
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常ならぬ花の夢より覚めにけりいのち満たせよ透きとほる雨
平成三十一年四月二十日
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わが生くる国なりけりな心なきままにも行けばさくら咲き満つ
平成三十一年四月六日
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世の人の愛づるや花の散りかかる路べの草も光ありけり
平成三十一年四月五日
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あだ花はさびしからめやその幹に幼き子らはめぐり戯る
平成三十一年三月二十八日
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春はとて憂き身に色はおぼえぬを花は咲くかなただ花として
平成三十一年三月二十八日
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