芳立さん
のうた一覧
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秋立てば千ぐさの花のさきおひに雨はしりゆく薄ずみの空
令和三年八月七日
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闇を追ひいかに照る日は長くとも目覚めぬものは己なりけり
令和三年六月二十一日
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花を惜しむ間もなき人を置き去りに荒れゆく風は青きころかな
令和三年五月五日
10
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世のなかは禍ながらはなぐはし桜のもとに集はるるかな
令和三年三月二十八日
4
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しづまらぬ鬼の世ながら薄氷のかへす光はぬるむころかな
令和三年二月三日
4
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息するはかくも難きかぬばたまの夜のかぎりにマスク外しつ
令和二年十二月二十一日
6
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ワイパーのけやき落ち葉をはらひつつ猫バンバンのけさぞ清しき
令和二年十一月七日
5
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花の香も忘れ果てにしこの袖をなにとて秋の雨や染めゆく
令和二年十一月二日
3
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青きまま騒ぐ心をあとにしてしづかに樹々の末は染みつつ
令和二年九月二十八日
4
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稔るべき空をのぞみて若人は青田のなかのみちを駆けゆく
令和二年八月七日
4
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長梅雨のあひまに白き日がさせばまだ燃えたらぬこの身なりけり
令和二年六月二十七日
6
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近ころはころなころなと騒ぐなりこぞに変はらずかはづ鳴くころ
令和二年六月十六日
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都なるひとに見せばやはつ夏の空より碧き田の水かがみ
令和二年五月二十五日
3
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都路の風は薫れりうつせみの世にいま通ふ影はなくとも
令和二年五月十二日
3
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夏は来ぬ窓べにそれは見えずともみどりの薫る風にこそ知れ
令和二年五月十日
5
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星ひとつ見えぬ夜ながら明けみればみどり濃き野に風あらたなり
令和二年五月五日
11
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おのが頃いかに忘れでさくら花わづらひばかり世にわたるとも
令和二年三月二十四日
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日はさしてなほ薄氷の川べりに花見の店は組みはじめたり
令和二年二月十一日
5
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きぞの夜の霜もけさこそふみゆかめ梅はたよりに聞くよりも訪へ
令和二年二月四日
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これよりは霜のまさらむこの朝をえらびて芽吹く蕗もあるかな
令和二年一月二十日
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