恣翁さん
のうた一覧
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雨に沈む鉄路 冷たく底光り 入り江のごとく湾曲したり
平成二十八年五月三十日
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五月雨の灰汁を溶かして 神田川 墨に染むめり 橋往く人を
平成二十八年五月二十九日
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鞦韆を揺すり 両足 倒に 天に挿せるや 仙女なるらむ
平成二十八年五月二十九日
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斎雲楼外 紅絡索 是れ誰ぞ 飛...
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初夏の 眠気誘ふ昼下がり 郵便局の森閑とせり
平成二十八年五月二十八日
17
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船方の 背中合はせに鳴らす艪を 篷降る雨の下に聞きたり
平成二十八年五月二十六日
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両髯 背立して 双櫓を鳴らし ...
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摘みながら 現無かるらし 抜き取りし蕺草の葉を キリリと噛みぬ
平成二十八年五月二十五日
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縦横に往き来る舟は 天水の間に はろばろ没しゆくめり
平成二十八年五月二十四日
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港中 十字を分ち 蜀広も亦 通...
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誘蛾灯 淡き青田を吹く風は 水の薫りを運び来にけり
平成二十八年五月二十三日
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小学校の一年生だったか、入学す...
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山並みのうねりのごとく 移りゆく 旅の思ひに 詩情湧きたり
平成二十八年五月二十二日
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高きに慿りて 幽策を散ずれば ...
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濃やかな 夜の色包む階に 土器色の月照るばかり
平成二十八年五月二十一日
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地を揺らす動乱去れば 小さき池に 数多の蛙 競ひ騒げり
平成二十八年五月十九日
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風 急雨を駆りて 高城に灑がしめ...
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窓に垂るる簾の向かふに 君は臥す 軒の柳の翠浅きに
平成二十八年五月十七日
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一粒の真珠のごとく 水敷ける湖心に映えて 月の点れり
平成二十八年五月十六日
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湖上 春の来て 画図に似たり ...
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縁のなき畳の青き本堂に 蝋燭を上げ 掌を合はせたり
平成二十八年五月十五日
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濡れ髪の 湯の帰途ならし女を照らす 月も斜めに 湯上りなめり
平成二十八年五月十四日
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菜の花も疎らな 長き物憂き日 蝶飛ぶ垣に 過ぎる人なし
平成二十八年五月十三日
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梅子 金黄 杏子肥え 麦花 雪...
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焼け残る入り日の雲に 海と空の間なむ 唯混沌とせる
平成二十八年五月十二日
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繭成すに 焚かるる蚕 虫を捕る外に無用の 蜘蛛にし如かず
平成二十八年五月十一日
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笑ふ可し 春蚕の 独り苦辛するを...
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雨洗ひ 色を一新させし麦 早知りぬらむ 名残りの春を
平成二十八年五月八日
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苔の香の満ちたる森の下闇に 合掌したる 跪坐の僧形
平成二十八年五月七日
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