恣翁さん
のうた一覧
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午の湯にふやけたる儘 急須にぞ 手揉みの茶葉の冷えて重なる
令和六年六月二十二日
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三門を潜れば 急に左右から 初夏の緑ぞ 肩襲ふなる
令和六年六月二十日
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条々と 垂るる柳を欄に 吹き込むまでに降る繁吹き雨
令和六年六月十八日
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丁寧に 敷き詰められし玉砂利の径に 落ちたる足音響く
令和六年六月十六日
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娘が鳥羽のホテルに勤務していた...
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二片の 薔薇の紅の花弁が散れる 机上の詩集の表紙
令和六年六月十五日
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真鍮の香炉の灰の静けしく 燃え残る儘 崩れだにせず
令和六年六月十三日
13
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薄れ日に 青味を帯びて緻密なる 半透明な羊羹の肌
令和六年六月十一日
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舟を漕ぐ櫂は 緑を籠むる陰乱して 水を物憂げに搔く
令和六年六月十日
13
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君が背に 眠りかけたる汗の珠 妖しき夜想曲 忍び寄るかも
令和六年六月十日
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徒に春宵更けて 老いぬとも いま酣の花影を恋ふ
令和六年六月九日
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ご無沙汰いたしました。5月3日...
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野茨の花弁はひそと波打ちて 余光に香こそ 吸われ消ゆなれ
令和六年五月二日
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草の上に腰を下ろせば 春の陽の 根にさへ籠る熱き思ほゆ
令和六年四月三十日
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永き日を ひとしほ永くする虻の羽音 空しく春風に消ゆ
令和六年四月二十八日
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生温き磯の春風 眠たげに 店の暖簾をふわと煽れり
令和六年四月二十七日
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しゃがみ込み 草の香に春嗅ぎ取りて 悦に入りにし少年時代
令和六年四月二十五日
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春の夜の出で湯に浮けば 魂だにも 海月のやうに揺蕩へるかも
令和六年四月二十三日
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眼の底に陽炎涌くがに 日溜まりの春の思ひよ 豊けかりこそ
令和六年四月二十二日
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嘴に泥を含みて 忙しげに 軒を出入りせるつばくらめ
令和六年四月二十一日
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花影を踏み拉きたる物狂ひ 八重の桜を月下に仰ぐ
令和六年四月二十日
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傾きし片割れ月を嘲りて 夜明け烏や 唖々と鳴くらむ
令和六年四月十八日
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