恣翁さん
のうた一覧
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食卓に並びし皿ぞ光りける 水に映りし月のごとくに
令和三年十二月二十五日
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袖に手を入れたるままに 慣らひとて机に向かふ冬の夜かな
令和三年十二月二十一日
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寒々と涸れたる川の網代木に 身動ぎもせで俯く鴉
令和三年十二月十八日
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夕暮れに亡き子を待つか 寒くとも窓を放ちて視る庭の闇
令和三年十二月十二日
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拍手を下さった、滝川昌之さんを...
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暁の川の浅瀬に 月の女児は ひとりぼっちで踊ってるとふ
令和三年十二月九日
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酔ひに委せ 口を衝く詩を唱へつつ 橋上に踏む冬の月光
令和三年十二月六日
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霜に焼け 朽ち葉となりし山紅葉 蒼白き冬の陽を浴びたりゑ
令和三年十二月二日
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房裂けば酸き香ひろがり 口腔に果汁蔌々 先づ歯に流る
令和三年十一月十八日
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一双羅帕未分珍 林下先嘗愧遂臣...
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カラタチの垣に掛かれる蜘蛛の網を 紅く染めたる車の尾灯
令和三年十一月十六日
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北国の短き日をし 霧包み 厨に灯り さてや点さむ
令和三年十一月十四日
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飛ぶ雲の慌ただしきに 一陣の風狂ほしく落ち葉を巻けり
令和三年十一月十一日
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条幅を飾りたる間に 花魁の吹かす煙管の雲居いざよふ
令和三年十一月九日
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悲しびを帯びて陽の落ち 大地こそ 物思ひにし沈みたりけれ
令和三年十一月七日
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シベリアの落日
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窓外を後ろへ過ぎる街はまだ 眠りの足らぬ寝惚け面かも
令和三年十一月四日
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嘲りの微笑を湛ふ こめかみの下がりし目尻とほうれい線に
令和三年十一月二日
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蒼褪めて立ち尽くしたり 雨に濡れ 機械油に汚れたる顔
令和三年十月三十一日
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夕暮れの空気を裂きて 打つ飛礫 暗く濁れる川面に消えぬ
令和三年十月二十八日
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テーブルにこぼれたる火酒 くちなはに似て 我が前へ這ひ寄らむとす
令和三年十月二十六日
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秋の日の底に潜むも 逸り立つ冬の分子か 膚粟立つに
令和三年十月二十四日
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続きたる 木精のごとき銃声が 林の中を鳴り渡りけり
令和三年十月二十三日
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