恣翁さん
のうた一覧
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難破船 沙を洗ひ寄せ返す 無常の浪が歔欷するばかり
令和四年八月二十八日
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ガチガチと寒さに鳴れる歯の上の 恐怖に強がる笑み苦からむ
令和四年八月二十七日
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微かにし 揺るるキャビンは 単調な 眠気を誘ふ嘆き上げけり
令和四年八月二十五日
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断崖に臨みし墓地ゆ 灰色に波立つイギリス海峡の見ゆ
令和四年八月二十二日
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ブルターニュ地方パンポルの画像...
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秋風に 静かに揺るる白芙蓉 余炎の庭に 涼をもたらす
令和四年八月二十日
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一点の血痕のやう 残りける炎の消えて 芯ぞ燻れる
令和四年八月十七日
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庭ゆ吹く風は 客間に忍び入り 軒の風鈴咽び鳴らせり
令和四年八月十四日
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言葉にはできねど感謝 向日葵のやうなあなたに会へてよかった
令和四年八月十三日
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うたのわを去られた某歌人さんに...
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早々と昇れる月は 火の球のごとくに 丘の上に懸かれり
令和四年八月十一日
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寝ねかてに 池を巡りて夜もすがら 月を掠むる翳だにも無し
令和四年八月九日
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滝つ瀬の闇に抛つ白銀か 月読射たるしぶき仄映ゆ
令和四年八月六日
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両の手に眼窩を囲ひ 覗きたる窓に広ごる闇と森かな
令和四年八月四日
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シベリア鉄道
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雨音が時を刻みて 思ひ出に 優しき日々も変はりぬらめや
令和四年七月三十日
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うたのわを去られた某歌人さんに...
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客帰り ひっそりしぬる座敷にぞ 海鳴りの音 今し聞こゆる
令和四年七月二十八日
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鑿振るふ木匠の手に 武骨にも 具象せらるる形の記憶
令和四年七月二十六日
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古びたる ひがしの茶屋の代赭色 紅柄格子に秘めし火遊び
令和四年七月二十四日
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陽は森の彼方に沈み 散光を投げかけたりゑ 野面の上に
令和四年七月二十一日
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真っ直ぐに向くる瞳は 熾りたる炭火のごとく赫けるかな
令和四年七月十六日
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裏口の戸を閉められて 蹲り 夜通し泣きつ 空地の隅に
令和四年七月十六日
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石庭の砂 降るだけの雨吸ふを 濡れにけりとも 絶えて見えずも
令和四年七月十四日
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