恣翁さん
のうた一覧
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繰り返し 誰に聞かする 訳でなく 老爺は軍歌 口遊みたり
平成二十三年九月七日
22
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墨流す 空に蒸れたる 風の吹き 立ち退くビルは 不気味に聳ゆ
平成二十三年八月三十一日
13
午前中の外回りで見掛けた光景を...
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爆ずる前の 刹那の静寂 破りたる 響き運ぶ 川風ぞよき
平成二十三年八月二十九日
21
人でいっぱいで、花火がよく見え...
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幼き日 借家住まひの 縁先に 弟と為し 線香花火
平成二十三年八月二十四日
29
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金錆と 油に染まる 道床の 砂利にレールの 光りて在りぬ
平成二十三年八月二十二日
18
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冬青の木の 根元を蟻に 引かれゆく 屍となりし 雀蜂観る
平成二十三年八月十九日
21
生命が躍動する夏から秋に、季節...
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仄暗き 湯船に落ちし 円座虫 掬えば徒に 伸縮しけり
平成二十三年八月十八日
14
円座虫:ヤスデのことです。
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黄昏の 川の火影は 灯籠か 樒匂へる 盂蘭盆会かな
平成二十三年八月十六日
21
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一条の 黒き蜥蜴の 干涸らびは 車道の上に 光りにけむか
平成二十三年八月十二日
14
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鴉群れ 芥に混じる 無花果を 人も恐れず ただ啄めり
平成二十三年八月九日
22
休日の散歩時に見掛けた光景です...
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あのひとの 好みし書を パラパラと 部屋抜ける風 ただ捲りゐる
平成二十三年八月一日
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初めての試みですが、女性の気持...
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礎石のみ 空しく残る 楼の跡 赤枯れし苔 雨に蔓延る
平成二十三年七月二十八日
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千秋の佳節 名空しく在り 承露...
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「とや」でなく 「にや」相応しく 想ふなり 黄泉路に死者の 啜り泣くがに
平成二十三年七月二十七日
7
「にや」でなく「とや」ではとの...
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こめかみに 梅干し貼った 婆さんが 店番してた 町の駄菓子屋
平成二十三年七月二十二日
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西岸良平氏の「三丁目の夕日」は...
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西日射す 下宿の軒に 短冊を だらり下げけり 玻璃の風鈴
平成二十三年七月二十一日
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京都の夏は蒸し暑いですが、学生...
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麝香やは 石に滲みたる 神聖に 官能を刺す 希臘彫刻
平成二十三年七月二十日
13
ヘルマプロディートスは、水浴び...
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古の 冷然とした 微笑みを 含みて像の ただ静かなり
平成二十三年七月十六日
15
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サイレンに 甚平一つの 老人が 額に翳す 渋団扇かな
平成二十三年七月十五日
17
交通事故でやってきた救急車のサ...
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美しき 木偶を操る 黒衣にぞ 運命駆りたる 無気味さを観る
平成二十三年七月十三日
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葵の助さんが詠まれた歌の「黒衣...
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孤独やは 望まざりける 此の地にて 氷心嘯歌 炎暑静めむ
平成二十三年七月十一日
13
悠々 雨初めて霽れ 独り繞る ...
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