恣翁さん
のうた一覧
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冬青の木の 根元を蟻に 引かれゆく 屍となりし 雀蜂観る
平成二十三年八月十九日
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生命が躍動する夏から秋に、季節...
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仄暗き 湯船に落ちし 円座虫 掬えば徒に 伸縮しけり
平成二十三年八月十八日
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円座虫:ヤスデのことです。
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黄昏の 川の火影は 灯籠か 樒匂へる 盂蘭盆会かな
平成二十三年八月十六日
21
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一条の 黒き蜥蜴の 干涸らびは 車道の上に 光りにけむか
平成二十三年八月十二日
14
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鴉群れ 芥に混じる 無花果を 人も恐れず ただ啄めり
平成二十三年八月九日
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休日の散歩時に見掛けた光景です...
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あのひとの 好みし書を パラパラと 部屋抜ける風 ただ捲りゐる
平成二十三年八月一日
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初めての試みですが、女性の気持...
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礎石のみ 空しく残る 楼の跡 赤枯れし苔 雨に蔓延る
平成二十三年七月二十八日
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千秋の佳節 名空しく在り 承露...
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「とや」でなく 「にや」相応しく 想ふなり 黄泉路に死者の 啜り泣くがに
平成二十三年七月二十七日
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「にや」でなく「とや」ではとの...
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こめかみに 梅干し貼った 婆さんが 店番してた 町の駄菓子屋
平成二十三年七月二十二日
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西岸良平氏の「三丁目の夕日」は...
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西日射す 下宿の軒に 短冊を だらり下げけり 玻璃の風鈴
平成二十三年七月二十一日
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京都の夏は蒸し暑いですが、学生...
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麝香やは 石に滲みたる 神聖に 官能を刺す 希臘彫刻
平成二十三年七月二十日
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ヘルマプロディートスは、水浴び...
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古の 冷然とした 微笑みを 含みて像の ただ静かなり
平成二十三年七月十六日
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サイレンに 甚平一つの 老人が 額に翳す 渋団扇かな
平成二十三年七月十五日
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交通事故でやってきた救急車のサ...
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美しき 木偶を操る 黒衣にぞ 運命駆りたる 無気味さを観る
平成二十三年七月十三日
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葵の助さんが詠まれた歌の「黒衣...
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孤独やは 望まざりける 此の地にて 氷心嘯歌 炎暑静めむ
平成二十三年七月十一日
13
悠々 雨初めて霽れ 独り繞る ...
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声に出し 調子取るべき 乱吟を 心地違へて 操觚適はず
平成二十三年七月八日
13
つくしめさんからいただいた「あ...
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掌を 返すがごとく 誼みすら 土に棄てつる 慣らひ浅まし
平成二十三年七月一日
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手を翻せば雲となり 手を覆せば雨...
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横顔を 見せて伏眼の ゴシックの 彫刻のごと 立ちて待つ女
平成二十三年六月三十日
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ゴシック建築の壁に彫られている...
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無機質な 抑揚のなき 看護師の 順番を呼ぶ 声響きたり
平成二十三年六月三十日
17
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立葵 その薄紅に 浮かびけり 盆提灯の 儚げな色
平成二十三年六月二十七日
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ねずみさんの立葵の歌に、あわせ...
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