恣翁さん
のうた一覧
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幼時には 口にもせざりし 蕗味噌の ほろ苦き味に 箸の止まらず
平成二十四年二月九日
23
行きつけの酒亭で、蕗味噌を酒肴...
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「やってない」 期待の淡く裏切られ 口笛吹きつつ 淋しく帰る
平成二十四年二月三日
13
ここは昨年8月27日にご紹介し...
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くさる莫れ 魚の一匹釣れずとも 空船満つる 月載せ帰らむ
平成二十四年二月二日
22
夜静かに水寒ふして魚食はず 満...
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勢子蟹の子と味噌 肴に 熱燗を ちびちび遣れば 憂さも晴れけり
平成二十四年二月一日
13
勢子蟹とはズワイガニの雌で、金...
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文机の花瓶に挿して 密やかに 香り混じれる 梅と水仙
平成二十四年一月三十一日
23
小閤沈々として 静夜長し 微明...
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文机の書こそ 展く能はざれ 頬杖で 降る雪に見入れば
平成二十四年一月二十九日
19
朝起きて、屋根に雪が積もってい...
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霧雨の 街をかなしく 籠めぬがに 冷たき悲哀 胸に満ちけり
平成二十四年一月二十七日
16
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世事に慣れ 純真なりし童心は 辿る夢路に甦るのみ
平成二十四年一月二十六日
22
少年の哀楽 人に過ぎ 歌泣端無...
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御通しの 雲子の甘さに 食堂の 鱈汁の味 甦りけり
平成二十四年一月二十五日
11
雲子とは、京都辺りでの鱈の白子...
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久里浜の蛸を肴に 吟醸の 馥郁たるを 味はへるかな
平成二十四年一月十九日
17
蛸といえば明石が有名ですが、関...
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飲み潰れ 夜更けに目覚め 老鶴の 鋭き声に 山月高し
平成二十四年一月十八日
22
山酒 香を吹いて 小槽より出で ...
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目標の頁まで読み 炉を掻けば 埋み火在るに 更に続けつ
平成二十四年一月十六日
29
人静かに 寒閨 月 廊に転ず ...
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生温き 血の滴りを 止めむと 瞼を閉ぢて 息吸ひ込めり
平成二十四年一月十二日
16
処方してもらっている薬を変えた...
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吹き上ぐる 川風に乗る 奴凧 於大藪まで 届きつるかも
平成二十四年一月三日
13
正月休みには、従兄弟達とよく凧...
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年明けて 厨に光 射したれば 阿多古火伏せの札 改めむ
平成二十四年一月一日
21
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花活けの 黄金目貫に 釜滾る 宵の点前に 凩の吹く
平成二十三年十二月二十八日
22
正月休みで帰省したところ、義父...
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書き溜めし 賀状の束を 投函す ポストの底に ことりてふ音
平成二十三年十二月二十六日
17
昨日、年賀状を書き終わり、投函...
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楽しまむ 一度限りの 人生を 子女はあれども 金残すまじ
平成二十三年十二月二十五日
16
昔聞長者言 掩耳毎不喜 ...
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灯儚き仮寝の宿に 臥して聴く 細雨に 疲馬の秣嚼めるを
平成二十三年十二月二十一日
13
寒林 残日 棲まむと欲するの烏...
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はぐれ雁 友に知らせよ 我が心 繋がぬ舟の 自由に似たるを
平成二十三年十二月十九日
17
夾水蒼山路向東 東南山豁大...
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