恣翁さん
のうた一覧
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蹲踞の水は しづけく春湛へ 山桜の影 漬したるかも
令和六年四月七日
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中天に昇りぬる陽は 芽吹きたる落葉松の枝に 燦々と降る
令和六年四月六日
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香に覚る 暗き庭なるゆすら梅 目をし凝らせば ぼんやりと浮く
令和六年四月五日
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開け放つ扉が 空しき春の陽を 上がり框に投げ掛くるかな
令和六年四月二日
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春寒の夜を深みて 濃やかに 依稀たる細雨 杜を籠めたり
令和六年三月二十六日
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東山 寝たる姿に朝日浴び けふも元気に目覚めけらしも
令和六年三月十三日
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夕映えの 燃ゆがに包む家並みに 季を忘れて風花の舞ふ
令和六年三月十二日
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竹林を 冷たく青に光らせて 忘れ降り頻く春霙かな
令和六年二月二十七日
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樅の木は 静かな枝を夜に張り はだれの雪を淡く残せり
令和六年二月十五日
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真夜中の月影寒く 窓に射し 素足のままの吾を照らしけり
令和六年二月二日
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空気しは 結晶しぬがに澄み透り 鼻腔の粘膜ひりつきにけり
令和六年一月二十四日
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吹き抜くる風に 枯れにし裏白の縮るる葉こそ 震へたりけれ
令和六年一月六日
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凩に波立つ水は ぎらぎらと 研ぎし鋼の閃湛へたり
令和五年十二月二十七日
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歌会「水のうた」に投稿していま...
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薄墨の 枯れて萎るる蓮の葉を 映す水面に冬の午後の陽
令和五年十二月十四日
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生け垣の枳殻の枯葉 肌寒き風に舞ふがに震へたるかな
令和五年十二月十二日
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赤々と焦げたる空を 飄々と 風音ばかり弥猛けるなり
令和五年十二月七日
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やがて来る冬の前触れ 秋時雨 降りみ降らずみ 気の滅入るかな
令和五年十一月六日
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清冽な夜気を透して 山肌に 月の影こそ結晶すめれ
令和五年十月二十九日
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高き天 研ぎつるごとく青ずみて 川ゆ吹く微風 膚に浸まゆ
令和五年十月二十六日
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稜線の昏冥深み 籠め初めし紫色の夢を漂ふ
令和五年十月八日
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