恣翁さん
のうた一覧
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破れ垣の鴉 日暮れを告ぐる庭 主なけれど 桃に花咲く
平成二十八年四月六日
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小桃 主無きに 自づから花を開き...
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舟繋ぐ古き祠に 雲垂れて 花盛りの樹下 潮満つるを看る
平成二十八年四月三日
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春陰 野に垂れて草青々たり 時...
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咲まひたる桜に吸はれ 呼吸する海市のごとく 我消えぬべし
平成二十八年四月二日
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草を食む羊を 水面の白波と見しこそ 洋の謂はれなるらし
平成二十八年三月三十一日
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中空に揺るる海市は 幻術に浮く ガンダルヴァの神殿とかや
平成二十八年三月二十五日
14
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墓に身を屈め覗けば 花筒の腐りし水に 陽ぞ映りける
平成二十八年三月二十日
20
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欄に 月は花影上らせて 香尽き 余韻残す漏声
平成二十八年三月十九日
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金炉 香尽きて 漏声残し 翦々...
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春の夜に 洗ひ晒しの綿ネルのパジャマで 窓に片月を見る
平成二十八年三月十六日
23
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春の海に高殿揺れて 蛤の 竜宮の夢 海市となりけむ
平成二十八年三月十五日
24
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春風よ 梅だにあるを 同胞ゆ 戦の塵を吹き飛ばさなも
平成二十八年三月十三日
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東風 吹き落とす戦塵沙 夢に想...
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半鐘を 火の見櫓に打つ袖に 桜に紛ふ火の粉降るかな
平成二十八年三月十二日
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老いを悔やみ 寝返るも夜の明け遣らで 静かな窓辺 小雨響けり
平成二十八年三月十日
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・・・・・ 衰遅 私かに自ら惜...
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切れ掛けの防犯灯に 吹き溜まる人影 仄かに 切れ切れに見ゆ
平成二十八年三月八日
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逆浪の舳遮り 泊められで 長江の春も故郷に如かず
平成二十八年三月八日
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・・・・・ 雨後 江上の緑 ...
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春に酔ふ雛の面に 薄暗き 真昼の影の映りたるかな
平成二十八年三月四日
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唇に淡く残れる白酒に 乳の味こそ 思ひ出しけれ
平成二十八年三月三日
20
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野晒しに纏ふ蔓草 落ちし城を 何の意ありてか 陽の照らすらむ
平成二十八年三月二日
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・・・・・ 野蔓 情有りて戦骨...
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切り花の香り一時 我もまた 忘れらるべし 詮方無しや
平成二十八年二月二十七日
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・・・・・ 水を汲みて新花を置...
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壇飾る部屋に寝たれば 雛達の うちささめける声聞こゆなり
平成二十八年二月二十七日
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ウマヅラの 青き尾鰭に入り交じり キスの飴色 濡れて目立てり
平成二十八年二月二十一日
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