恣翁さん
のうた一覧
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生命のひと夏限りの狂躁を 大地の亀裂に沁み込ませけり
平成二十七年七月二十八日
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葉を渡る風 息絶えて 太陽は 真昼の憂鬱深めたるかな
平成二十七年七月二十六日
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蝉の声 焦げつくごとく 繰り返し 湧き起こりては 消えてゆくなり
平成二十七年七月二十五日
23
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幾度も 扇子のごとき漣の 渚に光り 押し寄せたりけり
平成二十七年七月二十四日
17
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幾条の 水平線に並ぶ雲 蒼鉛に染む堤のごとし
平成二十七年七月二十二日
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しんしんと 重力のみの支配せし闇 脈づきて 水平線見ゆ
平成二十七年七月二十一日
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朝の間の鎮守の森に 大波の打ち寄せぬがに 蝉の音響く
平成二十七年七月十九日
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心地好き 海岸通りの潮風は コパカバーナの秋を吹くかな
平成二十七年七月九日
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座して待つ月読み低く 黒雲の腕に懸かる黄の髑髏
平成二十七年七月五日
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金曜の帰宅時に見た月を詠みまし...
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西の方 獅子座の頭下げ初めて 北東に上る白鳥座かな
平成二十七年六月三十日
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狭霧烟るテムズに対し 公園の濃緑望む チェイン・ウォークに
平成二十七年六月二十九日
12
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アンタレス 鋭く紅く輝きて 地平に近く はや移りけり
平成二十七年六月二十五日
16
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昏々と眠り長くがに 立ち籠むる ミルクのごとき北の海霧
平成二十七年六月二十二日
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稲妻の閃き 轟く遠雷は鈍く 物憂き繰言のごとし
平成二十七年六月十八日
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青苔と土の匂ひに囲まれて 深山のごとく院仄暗し
平成二十七年六月十五日
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降り注ぐ月の水泡を掃くごとく 夜風や 蒼き闇連れ来たる
平成二十七年六月十日
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中世の僧院の庭に降るやうに 六月の雨は暗く静かだ
平成二十七年六月三日
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迷ふべき奥処に 鶏の声高く 何処にか在る 杣人の家
平成二十七年五月三十一日
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適しく 野情に愜ひ 千山 高く...
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釣り客の戻る夕べに 暖かき風に揺れたる竹叢望めり
平成二十七年五月二十五日
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朝風の幽かに吹けば 蓮華揺れ 清香の露 転び落ちけり
平成二十七年五月二十一日
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暁を侵し 涼に乗じて偶たま独り来...
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