恣翁さん
のうた一覧
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銀漢は 冷たく冱えて 水晶の小さき炎の 群れて燃ゆめり
平成二十九年七月七日
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夕立ちの名残りの滴 松陰の 柔き土にぞ 沁み入りにける
平成二十九年七月三日
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やれ土竜 末枯るるや どの草筵 緋とだに見えぬ秋萩なりけり
平成二十九年六月三十日
21
恵慶法師、荒びたる宿に「末枯る...
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苔濡らす霧 吸ひ上ぐる水音を 蟻の子と聴く羊歯の森かな
平成二十九年六月二十五日
20
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車窓より 数多の針の並ぶがに光りて 見ゆる初夏の海
平成二十九年六月二十五日
17
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寝言をし独り言つがに 河骨は 葉を艶めかせ 夢見たるかも
平成二十九年六月十一日
17
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ハシドイの 白き花房 石築地越えて 群がり咲く季となりぬ
平成二十九年六月十一日
20
パリの6月
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天の川流るる空に 月懸かり 浅茅生の草 青く浮き出づ
平成二十九年六月十日
20
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樹冠より洩るる月影 幹伝ひ 地上に 清けく零れ落ちけり
平成二十九年六月八日
18
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水底ゆ 見上げし水面の裏に泳ぐ 魚のごとくに 鳥の影過ぐ
平成二十九年六月七日
20
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地に落ちて 黄ばみし 白き柿の花 歩運ぶ毎に 香気放てり
平成二十九年六月三日
18
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誇るがに 浜昼顔の咲く空に 鼓動のごとく 波音聞こゆ
平成二十九年六月三日
25
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素描せし線を 水彩する春と 画布に いきなり油彩する夏
平成二十九年五月二十八日
18
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穂の擦れる音を響かせて 黄に染まる麦畑こそ 風渡るなれ
平成二十九年五月二十七日
21
早苗月:陰暦5月の異称
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石組みを伝ひ 落ちたる遣り水に 蔓延る ハートのユキノシタの葉
平成二十九年五月七日
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隅棟の瓦落ちたる跡に はや 雑草 新たに繁茂したりぬ
平成二十九年五月六日
16
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光満ち 土の香の風 麦畑の 青き野面を蒸すがに渡れり
平成二十九年五月三日
25
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悔恨に 涙の衣を濡らすがに 雨帯びし柳絮 飛ぶに物憂し
平成二十九年五月二日
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欄干に徙倚して 落暉を送れば ...
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新緑の 座敷に満ちて 湯上りの顔だに碧く 児を染めつらむ
平成二十九年四月三十日
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ポツポツと 雨落ち初めて 小手毬の 遅き花房 微かに震ふ
平成二十九年四月三十日
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