ケンイチさん
のうた一覧
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かなしみは汝となりゆく望月のさそふさざ波かすかに聞けば
平成二十四年十月二十九日
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待つ人も別れを告ぐる人もなき町に触れ合ふ秋の風かな
平成二十四年十月十六日
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吹く風の寂しさを身に蓄えて空となりたし遥か来し方
平成二十四年十月十一日
9
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風を纏ひしたしき人を偲びつつ花は自づの色を誇れり
平成二十四年九月二日
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亜麻色の景色の影にともる灯をもとめ交はるひとりとなりぬ
平成二十四年八月三十日
7
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さびしさを告ぐこともなく長き夜を如何に急きゆく月の守びと
平成二十四年八月二十六日
14
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君ふれし月に濡れゐて懐かしむこの初秋の夜はあかるき
平成二十四年八月二十五日
7
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海ふかくあなたの声はさ迷ひてわたしは空の風を見てゐる
平成二十四年八月十五日
15
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旅ぞらの満つかなしみのさ中にてけふこそ此処に吾は涯つべし
平成二十四年八月十五日
14
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なつかしき一片ばかりみなぎりて遠つ国をもふといざよひぬ
平成二十四年八月十一日
7
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千夜に侘ぶ光を浴みつつ気まぐれにゆく旅空はさらにかなしき
平成二十四年八月五日
9
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静かなる月もとむれば小夜更けて彷徨ふままの遠き消息
平成二十四年八月四日
9
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届かざるものと知りゐて月光の街にさ迷ふ風の残響
平成二十四年七月二十三日
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嘘つきが春ですといふ月並みな町に見たのは風であらうか
平成二十四年三月九日
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むらさきの深きを見真似でしらべつつ呑みては軽む身となりにける
平成二十四年三月二日
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日は我らを追ひ越しゆきて見はるかす海峡の碧に揺蕩ふ海月
平成二十四年二月二十九日
15
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止め処なき文様の青ふかき宙ひとの祈りは絶ゆることなく
平成二十四年二月二十九日
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人なみに紛れてみては貌立ちをくらぶアジアに生れ来し風よ
平成二十四年二月二十九日
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風とともに老ひぼれてゆく信念を抱きてなほも旅を思へり
平成二十四年二月二十四日
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ふるさとを無くせし母の凛としてまだ遠かれと思ふ通ひ路
平成二十四年二月二十四日
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