ななし野さん
のうた一覧
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ダイヤルがジーコロもどる時代から光の速さで生きてきたけど
平成二十二年一月五日
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あの人の年に一度の便りきて加速していく流離の旅路
平成二十二年一月三日
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正月の二日可もなく不可もなくリゲルみつける独りの夜半
平成二十二年一月三日
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来る者を拒まずさりとて追いもせず城の主は緑を愛して
平成二十一年十二月二十八日
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美しいすみれグレーの朝もやに機首を背けて始発便発つ
平成二十一年十二月二十八日
2
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見上げれば暮らしの灯りにまぎれてる独居房です暗い森です
平成二十一年十二月二十一日
3
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山中のバラバラ死体に訊きなさい二度ともどれぬ哀しみのこと
平成二十一年十二月十六日
4
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夜明け前水族館のガラスにはまぶたを閉じない魚の悪夢
平成二十一年十二月三日
1
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ニジェールの砂漠の真ん中座礁した救命ボートによこせロデムを
平成二十一年十二月三日
4
ロデムは一番役に立つ召使。
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わだかまり持ち越す朝にあかねさす首都高2号羽田線なう
平成二十一年十一月二十一日
3
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不細工な爆音夜に吐き捨ててヒトの温もり乞うな弟
平成二十一年十一月十三日
2
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垂れ込める雲より厚く不機嫌な君には一人管制官置く
平成二十一年十一月十三日
3
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幸せはこれっぽっちの青空にアウトビートをさがす束の間
平成二十一年十一月六日
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砂嵐止めば明星晴々と君と歩まんさらば霜月
平成二十一年十一月四日
2
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追い討ちをかけて雨打つ道端に無念の花の白い十字架
平成二十一年十月二十六日
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点滅の夜間フライト音もなく螺鈿細工を残す幻燈
平成二十一年十月二十四日
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わたがしの棒にもなれずカラカラと鳴り出すばかりで交差点にいる
平成二十一年十月十九日
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銀の匙ひとたびあてれば皿じゅうにもうもどれない黒いカラメル
平成二十一年十月十七日
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フィラメント切れる間際のかすかなる明滅だって歌を宿らせ
平成二十一年十月十七日
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葉巻型既確認飛行物体この夜を盗む指令のために
平成二十一年十月十一日
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