佐々一竹さん
のうた一覧
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偽りの優しさだって時として汁粉のように温かき哉
平成二十一年十二月二十一日
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拳こそ信じるものの全てだとバンタム級の彼は語りぬ
平成二十一年十二月二十日
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鳥は鳥魚は魚の言語もち人と関係なく暮らしてる
平成二十一年十二月二十日
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悩んでも始まらないが悩まずに着けるのは危ない話
平成二十一年十二月二十日
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勢いで口からはみ出た一言で軋む歯車二つ三つあり
平成二十一年十二月十九日
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影のごとく我に貼りつく過去を背に今日も歩けり明日も歩かむ
平成二十一年十二月十八日
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手袋がまるまったまま落ちている甲殻類の殻を思わせ
平成二十一年十二月十八日
5
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明滅す赤きランプが闇空で我が胸中は明かさないまま
平成二十一年十二月十八日
5
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心眼で覗いてみれば真実は思ったよりも汚いものだ
平成二十一年十二月十七日
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辻立ちの元代議士のダミ声は虚しきまでに駅に漂う
平成二十一年十二月十七日
3
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偽りの握手をあまた繰り返す右手の腫れも気にしないまま
平成二十一年十二月十六日
3
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無作為に開いた地図の場所へ行くそんな旅行もあっていいはず
平成二十一年十二月十六日
3
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締切の猶予は一日もあらず激辛流の生き様である
平成二十一年十二月十六日
2
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灯の消えた商店街にたたずみぬ笑うでもなく怒るでもなく
平成二十一年十二月十五日
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薄紅の薔薇を一輪挿しに入れ君の手紙を待つ日曜日
平成二十一年十二月十五日
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爆音を残しバイクの列が過ぎ木霊となって那須に響きぬ
平成二十一年十二月十五日
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冬帽子ぽつんと駅に置き去られこのまま春を迎えるだろう
平成二十一年十二月十五日
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幾年も共に暮らしし同志たる石油ストーブまた活躍す
平成二十一年十二月十三日
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思案橋を渡りあぐねているうちに冬至の闇が忍びよりたり
平成二十一年十二月十三日
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もう誰も名前を覚えてないだろう猿岩石の消えた片方
平成二十一年十二月十三日
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