神谷あをさん
のうた一覧
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手のひらを柔らにひろげ匂い立つ白きほとけの住まわす木蓮
平成二十二年三月十七日
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あなたからあなたをひいた手のひらに残ることばの意味をあつめる
平成二十六年十二月十六日
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いつまでも冬の苦手な雪うさぎちいさなむねに言葉ともして
平成二十六年十二月十六日
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この水はどれほど長い旅を経て毎朝口を濯ぎに来るのか
平成二十一年六月二十七日
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目に見えぬたくさんの傷これもまた生きてる証消さないでおこう
平成二十一年九月五日
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好きという呪文もやがて色あせていくことを知る笑みの裏側
平成二十一年九月九日
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届かない場所へと思い馳せるのは心授かりしものの悪癖
平成二十二年三月六日
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襟元に隠しておいた悲しみを春一番が覗いてゆきたり
平成二十二年二月二十六日
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お陽さまに頭を撫でてもらいつつ歩み出す春 不安もあるけど
平成二十二年三月三十日
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複雑に折られた心が少しだけ折り目を戻す君との時間
平成二十一年六月二十四日
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口内炎暫く私に触れないで預かり知らぬ哀しみのように
平成二十一年六月二十五日
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理科室の人体模型の胸中にビー玉を埋める「心」と書いて
平成二十一年六月二十五日
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センサーがたまに誤作動するんです愛とか恋とか寂しさとかに
平成二十一年六月二十六日
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無理矢理に押し出されたんじゃないから水出し紅茶のおだやかな顔
平成二十一年六月二十八日
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最近、水出し紅茶にハマっています...
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かたくるし本を枕に昼寝する我を跨ぎゆく夏はしずか
平成二十一年七月二十八日
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この震えただ止めたいと抱き締める優しき一つ杭となりて
平成二十一年九月四日
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ゼンマイで動く身なればあなたへの想いもすうっと告げられるかも
平成二十一年九月八日
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あなたへの言葉を振りかぶったまま今日も夕日を見送りました
平成二十一年九月十四日
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いってきますいってらっしゃい細やかな儀式を終えて戦地へ向かう
平成二十一年九月十七日
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はにかんで見せるレントゲン写真には得体の知れぬ未来が眠る
平成二十一年九月十八日
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