うにうにさん
のうた一覧
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研ぎたての包丁を手に跳んで行く朝の紫切り取りに行く
平成二十一年八月二十七日
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純水にグラニュー糖を溶かし込み一番暇な静脈に打つ
平成二十一年八月二十七日
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八月のおわりはさとりをひらくとき 真っ白なノートを放る少年
平成二十一年八月二十八日
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街角に浮遊しているため息を採集していく夏の少年
平成二十一年八月二十八日
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しあわせになるための儀式百セット行って眠る君に幸あれ
平成二十一年九月二日
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降参を示す指文字天高く差し出して今朝仕事始める
平成二十一年九月二日
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三毛猫のミャオを追いかけごろごろと転がるダルを呼び戻してやる
平成二十二年二月十八日
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新緑の楓の梢を伝い来た露の雫を受けるダルやん
平成二十二年二月十九日
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境内の巨石の上の少しだけ窪んだ場所に嵌るダルやん
平成二十二年二月十九日
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油断一つ内ポケットに忍ばせて懇親会へ乗り込んでいく
平成二十二年二月二十三日
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持ち帰る術の無いまま掘り当てた埋蔵金を抱えて眠る
平成二十二年二月二十四日
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切先にとどまる蝿のつくろいを許せぬままの包丁である
平成二十三年八月四日
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また一つ零してしまういっぱいに広げた腕がまぼろしを抱く
平成二十一年六月四日
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解きかけのパズルの中に吸い込まれ未完の迷路をさまよい歩く
平成二十一年六月七日
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夕暮れが終わる間際の北空に引っ掛けておくあしたの予定
平成二十一年六月八日
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生態系臨界六月虹の粒相合い傘で一緒に帰る
平成二十一年六月九日
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折り畳み式の上司のお小言を腰にぶら下げ手繰るハンドル
平成二十一年六月十二日
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左手にモップ右手に鉄モップ掃除する気はありませんから
平成二十一年六月二十三日
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炎天の欲しがるままに噴く汗をぬぐってぬぐって拭って前へ
平成二十一年六月二十四日
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さあ行こう泣くと笑うの間の声で 綿毛よ空へ一斉に飛べ
平成二十一年六月二十四日
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