キノシタサトルさん
のうた一覧
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「このビルは古い切符を再利用したものです」と云われてもねえ。
平成二十四年十二月十二日
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たくさんのひとがすわってねむるから電車の音はとおくきこえる
平成二十四年十二月十二日
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夕方に一人で遊ぶ子どもには気を付けなさい連れていかれる
平成二十四年十二月十二日
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家中の待機ランプを筆ペンで塗りつぶしてから布団をかぶる
平成二十四年十二月十日
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おとのないところにすんでいるさかなみたいにつるりつるりと黙る
平成二十四年十二月十日
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あしたまでつかえるカードだけもっておさんぽにいきますからまたね。
平成二十四年十二月十日
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スプーンをコップのうえにのせたままとなりのひとはいってしまった
平成二十四年十二月十日
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ふえるだけふえたらいいさ すらすらとふちからこぼれおちていく泡
平成二十四年十二月十日
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あたたかくなるのがいやだ うごくのもかわるのもやだ わがまま四月
平成二十四年五月五日
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良くもなし悪くもなしと云いながら休み時間に微睡む五月
平成二十四年五月五日
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湿り気が夜の時計を遅らせる(蛙の声が粘る六月)
平成二十四年五月五日
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アメーバのようにふえゆくポリエチレンテレフタレート・ボトルのキノコ
平成二十四年五月五日
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すこしだけ買えるお店でマッチ棒1本だけを買って帰った
平成二十四年五月五日
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よくわかるって名前の本を数えたら幾つになるかよくわからない
平成二十四年四月三十日
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ありとあらゆるものごとが目のまえに並べられてるお店のような
平成二十四年四月三十日
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返事してもらうことさえ売っていて買っているのが成り立っている
平成二十四年四月三十日
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永遠に返ってこない山彦を待ち続けてる石像の人
平成二十四年四月三十日
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ちらばってちらばっているぼくたちのこえはどこにもとどいていない
平成二十四年四月三十日
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人形でいっぱいの部屋なのにどの人形も目をあわせてくれない
平成二十四年四月十九日
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欄干という欄干に空き缶を置いてまわった罪で捕まる
平成二十四年四月十九日
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