天野まどかさん
のうた一覧
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追憶の中に棲みつく一匹の蛇が記憶に付けし噛み痕
令和六年六月十三日
4
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唯一の実存として存在す吾の墓標は今ここに立つ
令和六年六月十三日
1
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赤々とネオンが灯る裏町に今日も真赤な嘘が飛び交う
令和六年六月十二日
3
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干乾びし虫の死骸をつまみ上げどうしたものか迷う夕暮れ
令和六年六月十二日
4
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紫に暮れる夕べの空見上げとりとめもなく見上げ続ける
令和六年六月十二日
1
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夕焼の空に拳を突き上げるごとく鉄塔黒々と在る
令和六年六月十一日
5
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病院の隅で飼われる熱帯魚ひらひら泳ぐ残影のごと
令和六年六月十一日
1
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一筋の光射し来る雲間見てなぜかひたすら祈りたくなる
令和六年六月十一日
1
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ひたひたと迫る足音ふり切って捕まるまでは生きるなりけり
令和六年六月十一日
1
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これしきのことと不様に立ち上がりよろけながらも前に進めり
令和六年六月十日
1
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あらあらと零れ落ちたる吾が涙泣くつもりなど無かったはずが
令和六年六月十日
3
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鎖鎌使えば次は槍が来る日々の悩みは尽きること無し
令和六年六月十日
2
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訪う人も無いまま朽ちる廃屋の記憶が揺れる庭のブランコ
令和六年六月十日
6
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乳色の霞の中に鉄塔が意志のごとくに突き立って居り
令和六年六月九日
5
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夏風邪をひきて啜れる鼻ひとつ持ちて行きたる夕暮れの道
令和六年六月八日
1
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達観は遂に叶わず日々迷うその連なりを吾と覚悟す
令和六年六月八日
3
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黒々と建ち並びたるビル群を裟懸けに切る稲光かな
令和六年六月七日
3
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遣る瀬無い怒りのごとき轟音に吾は慎むいかづちの夜
令和六年六月七日
2
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確固たる根拠も無くて存在し吾たらしめる吾の営み
令和六年六月七日
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初夏の光に揺れるそうめんの独り啜れる音が響けり
令和六年六月七日
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