睡密堂さん
のうた一覧
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感情の名を思い出せ寂しいと言えるなら言え大きく叫べ
令和五年六月十九日
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コンビニで死亡届をコピーしてアイスを買って帰る真夜中
令和五年六月二十三日
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肺の腑に紫煙満ちたり甘き死を待つ青二才コンビニの裏
令和五年六月二十四日
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絶対に泣かない日にはマスカラをたっぷりつけて微笑んでいる
令和五年六月二十六日
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蠍座のアンタレス夏の星座は花火にも似た瞬きの赤
令和五年七月二日
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海の駅降りればイントロ流れ出す頭の中に、希望の轍
令和五年七月五日
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漢和辞典英和辞典と積み重ね押し花にする今朝の朝顔
令和五年七月三十日
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甲子園球児の顔がおさなごに見えて青春遠くなりぬる
令和五年八月九日
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蟻の群れ大玉転がしのように蟻の骸を巣穴に運ぶ
令和五年八月十一日
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蝉しぐれ命はいずれ尽きるのを忘れた子らが自死望む処暑
令和五年八月二十四日
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一瞬で立ちこめた雲雨粒が落ちる速度はレーザービーム
令和五年八月二十七日
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君がいた君たちがいた幾年か前の秋こそ完璧だった
令和五年十一月五日
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君よりも年上の君の友へと君の名前の喪中欠礼
令和五年十二月十三日
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沸騰の夏の続きが極寒で季節は巡る容赦もなしに
令和五年十二月二十六日
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ふるさとは東京この街の空気が一番澄んでいる大晦日
令和五年十二月三十一日
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全身の倦怠感をもて余し噛み砕く飴砂糖不使用
令和五年四月二十七日
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ねぇ知ってる?あの花の蜜は甘いんだ早く摘まなきゃ萎れちゃうよ?
令和五年五月二日
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今日もまた温い寝床で聴いている夜更けに鳴くは風の絶叫
令和五年五月七日
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カルーアにミルクを注ぐ太るのは怖いけど今甘く酔わせて
令和五年五月十九日
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薔薇の木にかすみ草など咲かぬから引き立て役は日陰の蕾
令和五年五月二十五日
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