睡密堂さん
のうた一覧
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出汁の色染みたおでんの玉子割り汁を吸わせる黄身は純粋
令和五年十一月十二日
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筋肉が裏切らないとは聞いている裏切り者は私のほうだ
令和五年十一月十一日
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少しでも強くなりたい跳ね上げた黒いアイラインはおまじない
令和五年十一月十日
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仇には人魚の肉を食べさせてそれを教えず優しくするの
令和五年十一月九日
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他愛ない話で笑いあううちに鎮火していく些細な怒り
令和五年十一月六日
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君がいた君たちがいた幾年か前の秋こそ完璧だった
令和五年十一月五日
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右耳のイヤホン外しさくさくと落ち葉を踏んで行く音を聴く
令和五年十一月四日
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秋生まれケーキのサイズ小さめになっていく大人の胃の事情
令和五年十一月三日
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似たような気温春には別離あり秋には孤独風吹き抜ける
令和五年十一月二日
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優しさを全部あげたいエジプトに渡らず死んだツバメのように
令和五年十一月一日
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誕生日ケーキにさしたロウソクは太陽よりも鮮明に燃ゆ
令和五年十月三十日
7
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度の強い眼鏡を外したら月は七つあるから地球も多分
令和五年十月二十七日
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シマリスに貢ぐ採れたてほやほやのどんぐりお気に召したでしょうか
令和五年十月二十六日
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金木犀儚く散りて秋深し黄昏に背を向けるブランコ
令和五年十月二十三日
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寂しさを希釈するためコーヒーを甘くしてみた土曜日の午後
令和五年十月二十一日
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返却の棚から選ぶ小説は誰かと我の夜長の友よ
令和五年十月十九日
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迷いとかいう猿轡なんてもの噛み切っちまえ歌うけだもの
令和五年十月十八日
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駅までの距離がいつもより遠くに感じた初めてのハイヒール
令和五年十月十七日
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黄色から茜に変わる西の空誰の詩集を口ずさもうか
令和五年十月十五日
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夜に飛ぶ蝶が一匹死んだから明日は霧雨が悼むでしょう
令和五年十月十五日
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