奥月汀さん
のうた一覧
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雪が降るその前の匂いがするね白い息してはしゃぐ柴犬
令和五年一月十六日
7
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一ミリも分かりあえずに交差するアルカイックな「そうなんですね」
令和五年一月十六日
12
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階段を駆け降りてきた肩先に雨の気配が漂っている
令和五年一月十六日
7
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墨衣まといカウンターに連なりて蝦を潰したスープを含む
令和五年一月十六日
7
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高々と派手なカイトをぶら下げて莞爾と嗤う凧喰らいの木
令和五年一月二日
5
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隣席の惚気話をビールで流し無の表情でホルモンを焼く
令和五年一月一日
7
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蝉どもの声を遠ざけ白鷺が雪の景色に悄然と立つ
令和四年十二月三十日
1
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白い朝ふいに駆け出す小学生が塊のような息を吐き出す
令和四年十二月三十日
5
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短調のメロディ嫌う理由を問えば「かなしいのはこわいよ」と言う
令和四年十二月三十日
2
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焦点を合わさぬように湯船から背中の和彫りを鑑賞している
令和四年十二月三十日
8
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みずからを供物のように捧げつつ狂えるボーカルは虚空に吼える
令和四年十二月二十六日
7
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ねえあんた見ない顔だね手土産が無ければ去ねと野良に追われる
令和四年十二月二十三日
8
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無防備な肉の白さに触れんとて指は蛸の薄皮を剥ぐ
令和四年十二月十一日
7
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倦んだまま有耶無耶にしてしまえアイスペールの氷を摘む
令和四年十二月五日
4
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くちもとに富士の碧をちりばめて老いたる絵師は煙草を燻らす
令和四年十二月三日
2
5色のペンキで森羅万象を描きだす...
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「陰口は飾りなのよね」マドンナのボトルに煌めくラインストーン
令和四年十二月三日
5
というシーンを垣間見て。
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海鼠海鞘烏賊塩辛があれば頼みます北の蛮族の末裔として
令和四年十一月二十八日
4
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「あの葉が落ちたら、あたし死ぬわ」ならば千の風になって枝を揺すろう
令和四年十一月二十八日
5
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夕まぐれ河童と相撲を取っていた伯父の好んだ酒を贖う
令和四年十一月十六日
6
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娘のころ俺は狐に化かされたと明治生まれの祖母が嘯く
令和四年十一月十六日
5
楽しそうに語っていた。
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