此君さん
のうた一覧
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鳳凰のしだりしだるるしだり尾の影のにほひのをやみなかりき
令和四年四月七日
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水鏡水馴れし影や尾や羽やさやけかりけり宇治の鳳凰
令和四年四月七日
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箏や筐や笛やうるはし音もなし御手やはらかにやをらそのかげ
令和四年四月九日
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天上のその楽の音やなかるめる楽の沈黙ぞをかしかるらん
令和四年四月九日
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立たせ給ふ地蔵菩薩の御手にあるその香ゆかしき欝金香かな
令和四年四月九日
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錆びざらん水をぞ思ふ極楽の水をぞ思ふその水上よ
令和四年四月九日
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有明の月はるばると川霧よ駒の姿をしばしへだつな
令和四年四月十日
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離りつつ隔てする川霧よりもわが涙こそ恨むべかめれ
令和四年四月十一日
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今はただ逢ひみんよりはなかなかに弘誓の舟ぞ待たるる憂かりけり
令和四年四月十五日
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ひき違へ現し心ぞいだきぬるやすらけくいませ月さやかなり
令和四年四月十七日
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かはたれに人待ち歌の物狂ひ胡蝶寄り来る涙啜りに
令和四年三月三十一日
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酸桃食うべ腕をたるるたうめいのあはれこの恋苦りもゆくか
令和四年三月三十一日
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世の人の忙しき見ても悲しきは来ぬ人を待つ黐の木のかげ
令和四年三月三十一日
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松風に聞きまがへつつ霜月を漕ぎてかへらぬあまのをぶねよ
令和四年四月一日
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ふてぶてと脾肉に歓の強張のををしと見ゆるダナエの像よ
令和四年四月二日
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金の汗迸らせて益荒男の首得し少女女となりき
令和四年四月二日
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ずぶずぶとにごりまされる金色に明滅の見ゆその情と死の
令和四年四月二日
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紫陽花はガラス細工と見てゐしにしどろになりぬ茎青にして
令和四年四月三日
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逢ひびきの手筈整ふ紫陽花の宿に展くるトランプのQ
令和四年四月三日
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花なくはなほつらからむいにしへに変はらぬ色をそれと見る見る
令和四年四月四日
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