雨夜さん
のうた一覧
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わくらばに吹き澄ましなむ風のごと湧きて踊るる愚者の札讀み
令和三年三月三日
7
タロットカード
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梅の花みるひとなくも咲き匂ひ苑の暗暗まろく靜めり
令和三年二月二十六日
10
散歩(四)
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水仙は雪中四花の一つとて冴ゆる辺の夢にも匂ふ
令和三年一月二十一日
8
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草蘇鐵屈むる卷は解き放けて溢る胞子の心行き果つ
令和三年一月二十一日
9
こごみ
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いづくより竈に參るルリビタキ焔いだきて白く耀ふ
令和三年一月六日
3
ヒタキのかちかちと響く鳴き声は ...
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幽玄に出で立ちゆらふ 春 の 妖 精 ただ春の刹那に
令和三年一月六日
8
一瞬のこと
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冴え凍る藏に眠りて翔るとき鬱金香の冬は咲くなり
令和三年一月五日
5
アイス・チューリップ
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黄金を護る矢のそふ時じくの香の菓に雪は降り積む
令和三年一月四日
5
金柑
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異なるもの牛の角もじ蜘蛛の糸い行きい辿る陰陽の魚
令和三年一月一日
7
文字「い」のこと
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玉梓の赤き實いだく結び文 赤鳥おりきて讀み解きたり
令和二年十二月二十四日
5
カラスウリの種子
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かるかやの亂る蛇の鬚 璢璃の實は 青鳥よびて思ひ解きたり
令和二年十二月二十四日
5
ジャノヒゲの青い実
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埋もれし水琴窟に言問ひて水は天地また驅け廻る
令和二年十二月十九日
11
散歩(三)
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世は時間、界は空間とふ文を唱ふる夜に疾く雪ふるる
令和二年十二月十七日
7
冬日
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瀬を蹈めば 彼方此方異なる水煙 浮かぶ眞珠は端正なれ
令和二年十二月十六日
5
試行
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寄る邊なみ朽つる櫻のたたれゆく冬默す森こそ花覺めて
令和二年十二月十五日
5
樹の外のこと
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久方の鏡の奧の階に 囁きそよぐ異國の音
令和二年十二月十四日
15
三面鏡
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さなきだに 微睡む睫 あをあをと 色のうつろひ 虹に知らゆな
令和二年十二月十三日
4
虹彩
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解き放けぬ冴ゆる指もて辿るほし 北極星 參星 六連星
令和二年十二月十一日
7
星団を探す
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幼子の和す聲きゆ淡き街 曠野をすべる船は來ませり
令和二年十二月十日
5
商店街にて
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密蜂の麾きたる川面に もの思ひてさへ琥珀もゆる
令和二年十二月八日
4
たそかれ色の反射
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