笑能子さん
のうた一覧
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行灯は己の器量で持つが良し先行き衷心望むであれば
平成二十一年十二月十二日
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土壇場で口約束が反古となるあれやこれやと過ぎ行く師走
平成二十一年十二月九日
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読み止しの本に付箋を貼り付ける栞とメモの両用兼ねて
平成二十一年十二月八日
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逆撫での様な言葉を残す人気を惹く手かと遠巻き笑う
平成二十一年十二月六日
1
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傍観も疲れる言葉遊びかな技巧ばかりでまことが視えず
平成二十一年十二月三日
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電脳も生身も静かに満ちる秋枯れる枯れぬは匙加減にて
平成二十一年十一月二十八日
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淡々と己の誠研ぎ出だしただ一隅の提灯となる
平成二十一年十一月二十五日
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シュレッダー残像までは刻めずにただ空回り虚しき音で
平成二十一年十一月二十四日
2
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ホカホカと温き仕度に寝入りたる心も拡げただ深々と
平成二十一年十一月二十二日
2
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電脳の砥がぬ言葉に倦んでいる他人の熱を奪う蓄積
平成二十一年十一月二十一日
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幸不幸手前の都合交えずに道がなければ寄り来る筈なく
平成二十一年十一月二十日
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身を飾る言葉が人の格ならず内に流れる気概こそ格
平成二十一年十一月十九日
3
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磨き石他山に求むその前に己が足下爪先探り
平成二十一年十一月十八日
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止め処なく言葉を溢れさす人の背中を眺め溜息一つ
平成二十一年十一月十七日
2
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逆縁も縁の内とは思いつつ厭わしくあるその逆言葉
平成二十一年十一月十六日
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青空の欠片を時々食みながら太郎の顔の膝元読書
平成二十一年十一月十五日
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こつこつと一首一首を積み重ね惑える時の標に代える
平成二十一年十一月十四日
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縁求め自ら廻す天気輪時々加速に惑いはすれど
平成二十一年十一月十三日
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題かぶり言葉かぶりて思案する結局直さず吾が味とする
平成二十一年十一月十二日
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雨の中白河夜船を漕ぎ出だしゆらりと進む行方は決めず
平成二十一年十一月十二日
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