笑能子さん
のうた一覧
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不意に出る言葉は己の物差しに些細な慢心寸刻みにする
平成二十四年十一月二十八日
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染みこむは一雨毎の寒さかな独りでコツコツ始末をしつつ
平成二十四年十一月二十七日
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過ぎ去れば全て等しく見えてくる沈むも浮くも瞬きの間に
平成二十四年十一月二十六日
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夜の底密かに声を殺しつつ誰とも問わず祈りを捧げ
平成二十四年十一月二十五日
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黙々とドミノは倒れゆくばかり彷徨う先はただ夜の隅
平成二十四年十一月二十三日
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紅白の林檎新たにチラホラと日進月歩の技術とともに
平成二十四年十一月二十二日
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意地大義ただ徒らに掲げつつ他人惑わせ己も迷い
平成二十四年十一月二十一日
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不夜城を何時の間にやら創る人そうした中でただ踊る人
平成二十四年十一月二十日
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言葉尻あれこれ変えて飾っても寄せて集めた継ぎ目は消えず
平成二十四年十一月十九日
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突貫の白壁の中見え隠れそれを見遣りて阿弥陀の籤を
平成二十四年十一月十八日
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形なく変転している舞台袖主役置き去り群集劇か
平成二十四年十一月十七日
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皮算用先立つ故の英断か賽の目追う眼はひたすら泳ぎ
平成二十四年十一月十六日
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気がつけば事の残滓の此処彼処誰ひとりとして始末を為さず
平成二十四年十一月十五日
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デパ地下で一切途切れぬ列眺めその後先をふと見失う
平成二十四年十一月十四日
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一粒の種は静かに何思う名誉がどうののしがらみもなく
平成二十四年十一月十四日
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夜深く眠れぬままに過ごしつつ研ぎ澄ましている隠した爪を
平成二十四年十一月十三日
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季の境迷う身体と寒暖にただとりあえず衣を一重
平成二十四年十一月十二日
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柿林檎梨蜜柑買う帰り道瑞々しさと重さを感じ
平成二十四年十一月十一日
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花の頃もう過ぎたかと歯噛みする泥縄のごと憩いを欲し
平成二十四年十一月十日
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筆を執りいざやと身構え黙すれど己の中の泉は静か
平成二十四年十一月九日
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