山本克夫さん
のうた一覧
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深くふかく悲しみを埋めてしまえば地下鉄のホームに届かないひかり
平成二十一年十一月八日
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ダークブルーの錠剤の力をかりて思い出したくない夜に眠りを
平成二十一年十一月八日
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星空のウエディングベル鳴りはじめたらきみに捧げる土星のリング
平成二十一年十一月七日
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何時までも夜空を見つめつづけた村人にふれてゆく彗星のこころ
平成二十一年十一月七日
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悲しみも凍りつく夜だ てのひらにベガを包んで暖まろうか
平成二十一年十一月七日
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冬の夜のホタルイカのむれがつれゆく輝きそこねた最後のひかり
平成二十一年十一月六日
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ポケットの中には雪降るおとのしんしんと聞こえてくる冬のイヤホン
平成二十一年十一月六日
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帰るべき場所があるのでしょう夕暮れは小さく別れのことばを吐いた
平成二十一年十一月六日
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果樹園の冷たい風を聴きながらわたしは落ちた林檎をひろう
平成二十一年十一月五日
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雨の境界を越えてきたけれどそこは哀しいほどの街角だった
平成二十一年十一月五日
3
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明けがたの海の歌を聴きたいと冬の水浴び小屋まで走った
平成二十一年十一月五日
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わすれてしまったものは記憶とは呼べない ただ降り積もるだけ
平成二十一年十一月四日
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動物園前のバス停からアフリカへむかう動物の群れが乗車する
平成二十一年十一月四日
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目のまえに冬があらわれてほんの少しはにかんで頬を赤らめる
平成二十一年十一月四日
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いつからか目をとじて耳をすますと風の意味が聞こえてきます
平成二十一年十一月三日
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しまうまがゼブラゾーンに立ち止まりセレンゲティを思い出す夜
平成二十一年十一月三日
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くらやみに生まれたいのちあるだけの月のひかりを与えて暮らす
平成二十一年十一月三日
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街角に分度器をもつひとが現れて傾いたわたしを修正してゆく
平成二十一年十一月三日
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すみません忘れてしまいました大切にしていたはずのあなたの顔を
平成二十一年十一月三日
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美しいことばを空と携えてゆきましょうか 見渡すかぎり草原
平成二十一年十一月二日
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