山本克夫さん
のうた一覧
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どうでもよいことに固執して気がつけば真っ黒な壁なのですね
平成二十二年一月二十三日
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あなたの顔も声も指先もわすれました続けられるだけ続ける幻想
平成二十二年一月二十三日
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せいとしが近づいて遠ざかる永遠に続くかのような潮のみちひき
平成二十二年一月二十三日
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哀しみを律し生きながらえてどれだけの壁を白く塗ったのだろう
平成二十二年一月二十三日
2
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聖夜 掴みそこねたまぼろしが砂丘のなかに紛れてしまう
平成二十二年一月二十三日
1
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杉下さん落としましたよと拾ったら岡田有希子の花のイマージュ
平成二十二年一月二十二日
2
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蝋燭をともしてまわる洞窟のあなたの顔が見えますように
平成二十二年一月二十一日
4
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知りたくもないことばかり気まぐれな電波塔から聞かされる
平成二十二年一月二十一日
2
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非常口の場所を尋ね壊れそうなわたしの中から逃げ出した
平成二十二年一月二十一日
2
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長いすの背もたれのあたりに思い出となりそうな丸みが残る
平成二十二年一月二十日
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空がある光がある風があるしあわせを数えるように生きている
平成二十二年一月十九日
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こんなことばかりくりかえしては静かに老いてゆくのですね
平成二十二年一月十八日
3
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泣きかたをおぼえなおした冬の日は遠景だけが友達でした
平成二十二年一月十八日
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夕焼けの街がどれだけ優しい顔をしていても俯いて杉下さん
平成二十二年一月十七日
1
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月食のひかりなくなる真夜中に忘れた歌を口ずさんでる
平成二十二年一月十七日
3
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新橋に発車の汽笛鳴り響く赤ら顔した杉下さんが旅立ってゆく
平成二十二年一月十七日
1
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パレードの隊列のなか手を振ったミッキーマウスに表情がない
平成二十二年一月十七日
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杉下は屋上で鳩になっておりますので折り返し連絡させます
平成二十二年一月十七日
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ドルフィンキックが上手いと褒められてイルカになった杉下さん
平成二十二年一月十六日
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万里の長城のその先に夕焼けの休憩場所があることは秘密
平成二十二年一月十六日
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