はなしのぶ゙さん
のうた一覧
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もこもこのマフラー巻きて逢うのですさみしい貴女をハグするために
令和五年三月十一日
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独り居の貴女が待てる日曜日フレックモンブラン抱えて訪いぬ
令和五年三月十一日
3
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何時よりか箱の隅へと忘れゐし亡母の指ぬきにび色なりき
令和三年二月五日
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冷たきに頬に触れても冷たきに花に埋もるる友が死に顔
令和三年二月五日
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遠くから呼ばれたやうで振り向けば不意に足元を吹くつむじ風
令和三年二月五日
5
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綿棒の先のやうなる自尊心ペンケースに入れ議場へむかふ
令和三年一月二十九日
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月さへもわが為だけにあると念ふあの思春期のトゲトゲの性
令和三年一月二十九日
2
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うち寄せる波に指先ぬらしつつ覚悟ひとつを明日は捨てやう
令和三年一月二十三日
5
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おだやかな午前十時のファクシミリ清しくおらむと大文字とどく
令和三年一月二十三日
2
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制服のなめらかな背の美しさバス停に紅き声ははじける
令和二年十二月六日
4
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沙羅の枝の残り葉は落つ 行く行くはわれもハラリと散る日のあらむ
令和二年十二月六日
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処理できぬ哀しみを盛りたっぷりとシーザードレッシング振りかける宵
令和二年十一月六日
3
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一息に越へられずこの水溜まり去年より小さき水たまりさえ
令和二年十一月六日
3
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よこたはる潤目鰯の肝を削ぐ魔女の気配のする夜のくりや
令和二年十一月六日
5
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細りたる髪を束ねて吾とても密かなる乱心あるやも知れぬ
令和二年十月二十七日
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まさびしき顔を埋めてみたき雲エスプレッソ豆挽きつつ見あぐ
令和二年十月三日
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久しくに本音を言へる人に合ふ透明ネールを幾重にぬりて
令和二年十月三日
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かがみつつ研磨している足の爪幾度もいくども躓きし爪
令和二年十月三日
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霜ばしら踏みつつ友にあひにゆくポケットに話の種を詰め込み
令和二年九月二十九日
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ひと日終ふる安らぎにをり人を想ひ少し濃いめに入れる珈琲
令和二年九月二十九日
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