艸介さん
のうた一覧
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山茶花の垣根にそつて歩くとき 落葉焚く火のまぼろしを嗅ぐ
令和五年十一月二十八日
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あのにおいが好きでした。めっきり...
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左より右へ抜けゆる空風の 凍みる骨身にしんしんと泣き
令和五年十一月二十八日
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沈む陽のセピアに染まる街並みの ひとつの色へきみは溶けゆる
令和五年十一月七日
9
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六畳の密室を満たす木犀花 香の妖しはプアゾンに似て
令和五年十月三日
9
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虫の音は窓の外より響きをり いやちょっとまて中から聞こえる
令和五年九月十四日
12
どこから入ったんでしょうかね…
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昨日より歩をはやめ来る夜とすれ違ふとき 秋の風哉
令和五年九月七日
2
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我らヒト 掲ぐ火により人と成り 狂る野辺の火に人を失う
令和五年九月七日
1
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忘れゆくことを美徳と呼ぶのなら うた詠むきみの罪に幸あれ
令和五年九月四日
15
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たそかれの峰雲を裂く銀翼を 撫づ君の手に夏はありけり
令和五年八月二十九日
10
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幾億の誰かが触れた夏の夢に それでも僕は焦がれつづける
令和五年八月二十九日
5
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日盛に夜が落した残月を グラスへひとつ転がしてみる
令和五年七月二十九日
15
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天蓋のはるか彼方のそのすべて ただ一色の青に染まらむ
令和五年六月十七日
9
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ただひとり座して虚空を追い駆ける猫の視線を追いかけてみる
令和五年五月十七日
8
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悉く散りゆく春や 山桜花さへもはや無垢を脱ぎにし
令和五年四月二十一日
10
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荒屋の閉まらぬ窓も今だけは 朧月夜を映すカンバス
令和五年四月十三日
15
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線香の煙を揺らし往く風の 運びし花の香のかなしさ
令和五年三月二十二日
11
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此の暫し湯が沸くまでの一拍を コーヒーカップと戯れてゐる
令和五年三月十日
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手持ち無沙汰
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虫よりも鳥よりもなほ雄弁に ハックションとぞ春を告げぬる
令和五年二月二十六日
7
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何処へやら枝を運びて飛ぶ鳥に 背を向けつつ独り歩みぬ
令和五年二月十九日
7
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あと少し ほんの少しの湿り気が 乾かず今日も部屋干をせむ
令和五年二月四日
6
日照時間があと一時間足りれば乾く...
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