銀さん
のうた一覧
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踏ん切りがつかず泣けもしないままエンドロールはじまりの黒
令和六年五月一日
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来月も生きているわたしのために前売り券を買う美術館
令和六年三月二十二日
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ありがとう空ありがとう星ありがとうあたたかなかなしみ
令和三年九月二十七日
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ゆるしてもいいよ笑ってもいいよ泣けるあいだは泣いてていいよ
令和三年一月六日
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したいことしたくないこと見失う真っ青な空を泳げたことも
令和三年一月六日
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はじめての角は折られて罪深き傷になるまで刻まれてをり
令和二年六月十八日
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幾重にもつながる折り目この谷にきみが残したわたしがひとり
令和二年六月十八日
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ここが首ここが翼になるように折り目を付けたわけじゃなかった
令和二年六月十八日
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炊きたての湯気は知らない戻らないひとの茶碗によそわれている
令和二年六月十五日
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唇をなぞる指先まぼろしはいつも涙は拭ってくれぬ
令和二年六月十四日
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まぼろしに急かされて撮る紫陽花のいつもかの人抜け落ちており
令和二年六月十三日
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秒針のかすかな震えいくつかの遺言とともに恋は死にゆく
令和二年六月十三日
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息の根が止まるまでもう少しだけ見つめることも許されぬ恋
令和二年六月十三日
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笑うように泣きだしたのは抱擁の定義と同じ綿毛飛びたつ
令和二年六月十三日
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体温のわかる距離まで目を閉じて熱を与えて祈りは消える
令和二年六月十三日
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終わりかたなんて知らない映画なら歌なら恋でさえなければ
令和二年六月八日
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合言葉もたないままで揺れているシロツメクサに象られをり
令和二年六月八日
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何者になるのだろうかあの夜にきみが溶けだしていったからだは
令和二年六月八日
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紫陽花を辿りてゆけばやわらかき朝に出会えるアオスジアゲハ
令和元年六月十九日
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開けたてのMarlboroは香りたちいつまでも見てる濃紺の夢
平成三十一年一月十二日
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