山本克夫さん
のうた一覧
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国語辞典に重圧をかけて搾り出す かなしいのですね断末魔
平成二十二年一月七日
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たてつけがわるいのではありません傾いたわたしがあけづらい襖
平成二十二年一月七日
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清流のあふれ出る渓谷へむかいやわらかな水の会話を聞いて
平成二十二年一月六日
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ひとごみにながされながら遡上するわたしは鮭のゆめをみている
平成二十二年一月五日
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終わらないものがあるような気がして円周率を覚え始める
平成二十二年一月五日
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あけがたのひかりのなかに願いのような言葉が背伸びをした
平成二十二年一月五日
1
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わすれているわけではないのです時にいまがやさしいのです
平成二十二年一月四日
2
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彗星のようにあらわれてはきえてゆくかなしい歌があったこと
平成二十二年一月四日
3
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冬の空をわたる鳥がこの街に少しだけ異国をのこしていった
平成二十二年一月三日
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月のひかりでやいた目玉焼きにキラキラの食卓塩をふりかける
平成二十二年一月三日
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一月の森林公園も海浜公園も真っ白く染まる夢をみていた
平成二十二年一月三日
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数えたらいくつの冬を通り過ぎあといくつ過ぎるのかと風に聞く
平成二十二年一月三日
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球体に近付くようにゆっくりと手足をちぎる 夢なのでしょう
平成二十二年一月三日
2
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ゆふぐれと書いて目を伏せる またやみがやさしいふりをする
平成二十二年一月二日
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日だまりに背伸びなんかして新しい春となる練習をするのです
平成二十二年一月二日
2
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悲しみのジクソーパズルを組み立てても組み立ててもかなしみ
平成二十二年一月二日
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ずうとそうしていたかったいつまでも球根のまま春にうもれて
平成二十二年一月二日
2
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だれにでもしは平等におとずれるただじゅんばんは神のきまぐれ
平成二十二年一月二日
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森に帰ることを前提として滝までの遊歩道を歩く冬の日
平成二十二年一月一日
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一瞬の自由律がわたしからおもいくさりを取り去るのです
平成二十二年一月一日
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