山本克夫さん
のうた一覧
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断片をあつめてねむる冬の日よあけがたひかり結晶となれ
平成二十三年十二月十一日
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雪ふり始めわたくしはゆつくりと深呼吸する森であります
平成二十三年十二月十一日
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またひとつ増版されるわたくしの冬のこころの四十九版
平成二十三年十二月十一日
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ゆつくりとルーズリーフの内側に積もる時間の鐘を鳴らして
平成二十三年十二月十一日
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ああ、雪の結晶てのひらのあなたのようにとけてゆきます
平成二十三年十二月十日
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総理大臣ふゆぞらを翔けて街角は増税原案書降り積もる
平成二十三年十二月十日
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小太りの男となつてイリュージョン橇で世界のめぐる煙突
平成二十三年十二月十日
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行き先を忘れた鳩に括るのはそらに届ける手紙でしょうか
平成二十三年十二月十日
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最愛の秋をなくした庭師がひとりあかね色して泣いている
平成二十三年十一月二十三日
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大丈夫ばれたりしないふたりしてかくしておいた雪の結晶
平成二十三年十一月二十三日
4
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あたらしい命がひとつ満月の必然でしょう出会えたらいい
平成二十三年十一月二十三日
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走る朝むかい風から脚力の意思を問われる 負けたくはない
平成二十三年十一月二十日
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逢いたいといえば夕日は短めの詩になるなんて 妄想だろう
平成二十三年十一月二十日
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白鳥の羽根をひらいて冬の日の水辺はもっとあたたかくなる
平成二十三年十一月二十日
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スターダスト落ちてきた夜の地面クリアファイルに挟み続けて
平成二十三年十一月十九日
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それぞれがそれぞれの生を語りはじめる物語は長いほうがいい
平成二十三年十一月十九日
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降り始めたら雪の世界はやさしいと空から聞いた遭難者たち
平成二十三年十一月十九日
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いいのです鯨の歌はわかるひとわかるひとには聴こえていたら
平成二十三年十一月四日
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あたらしくあなたが泣いた満月はたまに記憶をあたらしくする
平成二十三年十一月四日
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わからなくていいのかもしれないと向日葵の種植えてゆく午後
平成二十三年十一月四日
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