山本克夫さん
のうた一覧
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明け方をなでていた風のこどもがわたしの頬もなでてくれた
平成二十三年一月一日
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吐息は郵便ポストに入れてきた明日あなたに届くのでしょう
平成二十三年一月一日
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うつくしい夢をみていたはれわたるあたらしい空に浮かんだ
平成二十三年一月一日
2
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風のような気がして振り向けば落葉がすこし寄り添い合った
平成二十二年十二月三十一日
2
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未知数をかぞえていたら彼方から夕日のような数学者くる
平成二十二年十二月三十一日
6
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許してはくれない棘が喉もとに出かかる声を突き刺すのです
平成二十二年十二月三十一日
6
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黒猫が今日の記憶をしなやかに悲しい屋根を飛び越えてゆく
平成二十二年十二月三十一日
2
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触れなくともギターの弦はのびてゆく夕日の影を追い掛けながら
平成二十二年十二月三十一日
5
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空色の鞄は遠い夏の日を詰めていたこと忘れてしまう
平成二十二年十二月三十日
4
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悲しみの炬燵のなかに火星から赤いひかりがあふれはじめる
平成二十二年十二月三十日
3
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憎しみの声は忘れてなりましょうミルクティーなら温かいはず
平成二十二年十二月三十日
2
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許したら鳩になるまで冬の日を凍えるように飛ばなくていい
平成二十二年十二月三十日
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冬からの電話が続く胸中に溜まる落ち葉を拾い集める
平成二十二年十二月三十日
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ノイズから歌になるまで抱いていた明日のような短波受信機
平成二十二年十二月二十七日
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思うのは憎しみをすべて許したら星空に降るアジの開きだ
平成二十二年十二月二十七日
1
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水面のかたりだす夜 うおの背をなでようとした湖がある
平成二十二年十二月二十七日
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希望から外れた空の交差点スターダストになってるなんて
平成二十二年十二月二十七日
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ジングルベルの回転数をあげながら観覧車からのぞむほしぞら
平成二十二年十二月二十五日
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蛍光灯またたきながらさよならを私のもとに告げるのでしょう
平成二十二年十二月二十五日
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あなたから夜空のように歌いだす星になるまで続けましょうね
平成二十二年十二月二十五日
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