内田勝也さん
のうた一覧
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空ははや見上げるものにあらずして風は吹かねど銀杏は落つ
令和元年十月十日
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いつ見ても未完のままで工事中わが詩の神はサグラダ・ファミリア
令和元年十月八日
7
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沸々と湧く想い出は振り捨てよ忘却こそは見返り阿弥陀
令和元年十月七日
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病葉は浮きつ沈みつ流れゆくわが朽ち果てし歌いかにせむ
令和元年十月三日
5
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寒天の固まるまでの冷ややかさわが言の葉の瞬間凍結
令和元年十月一日
2
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シャンプーの強すぎる香に辟易し薄れつつある神と追憶
令和元年九月二十八日
2
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陽は溢れ光に満ちたこの町の片隅にある悪意の芽生え
令和元年九月二十五日
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群れはぐれ水鳥一羽背を向けて水浴びしおり我が友なれば
令和元年九月二十一日
5
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魚跳ねて水面は閉じず水底の深き暗黒われを呼ばわる
令和元年九月十五日
1
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寂寞の請求書ばかりの過去ゆえに空は飛ばぬと鴎は告げる
令和元年九月十四日
1
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君が弾くピアノの音のやや暗し炎天に舞う蝶は何処へ
令和元年九月十三日
1
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歌などを覚えるべきできはなかったと歌詠むわれに言うもわれなり
令和元年九月十二日
1
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乾きいるわれの心に降るものは短き歌をなさぬ言の葉
令和元年九月十一日
1
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しとしと降り続く雨魂腐す志と詩と死とと重なりあいて
令和元年九月十一日
1
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「私」はただどこまでも「私」この自獄の輪に沈む「わたくし」
令和元年九月十日
2
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わが内の螺旋形した遺失物無くせしものは輝いて見え
令和元年九月九日
1
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連翹は南無妙法連翹と咲き揃う妙法なきや世を渡る術
令和元年九月八日
1
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朝の海波照り返し鴎啼く飛翔の時は過ぎ去りしまま
令和元年九月七日
5
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街角の広告板は傾けり「末世の救い神の光!」
令和元年九月六日
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白子乾大根おろしに浸すとき私に集まる小さい目
令和元年九月五日
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