エズミさん
のうた一覧
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こんなにも隔たってふたり神さまの気まぐれゆらり塩基配列
平成二十一年三月十八日
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「まるで船に酔ったかのよう」内側に小さな重しを抱いて娘は
平成二十一年三月二十一日
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家出するならここに住む。田中荘。線路沿い青くあじさい。王子。
平成二十一年三月二十一日
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何度でも鳴らす呼び鈴きれぎれに祭囃子の遠ざかりゆく
平成二十一年三月二十三日
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街灯は静かに凍り夜は更けて裂いた布しろく結ぶ婚礼
平成二十一年三月二十四日
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恋着の午後 地の果てに霧笛鳴る あなたが眠る海は深くて
平成二十一年三月二十六日
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潤沢なときに小分けに保存する 冷凍ごはんのように気持ちを
平成二十一年三月二十八日
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どっちにも行けない 味方したくない また夜が明ける シャツブラウス着る
平成二十一年四月二十一日
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午後三時四十二分この部屋に落ちる最後のひだまり揺れて
平成二十一年三月十四日
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まといつく蝶がこわいと泣いた君髪の香はなお褪せることなく
平成二十一年三月十四日
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いまだけは曇らずにいて一対の泉は朝の光を浴びて
平成二十一年三月十五日
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真っ直ぐに向き合う勇気などなくて補助線をひく苦しまぎれに
平成二十一年三月十七日
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低空を飛んで見逃さないように君の棺が運ばれてゆく
平成二十一年三月十七日
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懸垂はできそうもない 試みに指をかければ 忍び返しが
平成二十一年三月十九日
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冷蔵庫すいかは徐々に膨らんですべてを飲み込み寿命を終える
平成二十一年三月二十一日
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湿原を遠回りして君遠く野アザミ吾亦紅女郎花
平成二十一年三月二十九日
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春浅く 君はるか夢は降りしきる まだ返せない「眩暈」カネッティ
平成二十一年三月三十日
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音楽が鳴る 鳴っている この草原を 踊るように駆け抜けよ足首
平成二十一年四月一日
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うれしくてすこしかなしい午後でした あなたがくれたマルボロライト
平成二十一年四月二十日
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真四角の部屋 夕方が遠くなる 手のひらの上でお豆腐を切る
平成二十一年三月十六日
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