もどりさん
のうた一覧
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青ざめた顔だけ覚えているといい 始発を手繰って帰る顔だけ
平成三十一年四月十五日
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歩くほど我を忘れる夕空に触れれば切れる三日月の縁
平成三十一年二月二十一日
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何時間前まで生きていたのだろう 特売の豚のナマの感触
平成三十一年二月二十一日
4
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使い捨てマスクの中に露結び今朝も私は生きている様
平成三十一年一月三十一日
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絶海の孤島を胸に飼っている 世界の終わりはここから見るの
平成三十一年一月三十一日
4
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〇・三八ミリのペン先を抜け溶けていく日を夢に見ている
平成三十一年一月二十五日
6
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細切れになった秘密をビニールに詰めてオフィスの隅に積み置く
平成三十一年一月二十二日
8
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封筒に刻み込まれた筆跡は誤配がゆえに冴え冴えとして
平成三十一年一月十二日
8
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飛行船をそろって見上げたときの沈黙に似た見知らぬ裸足
平成三十一年一月十二日
3
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指先をひやりとかすめた切っ先の気配いまだに離れてゆかない
平成三十一年一月十一日
4
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曲名が思い出せない 保留音と駅まで歩くだけの永遠
平成三十一年一月十一日
4
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ぎこちない笑いかたでも口数が多くなくてもあなたは満点
平成三十一年一月九日
7
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独学は息する歩くが限界で空気読解は履修してなくて
平成三十一年一月七日
4
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「セクハラ」の欄に書き込む「特になし」(ギャグのセンスはカビ臭いけど)
平成三十一年一月七日
4
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寒空を結露がつたう セーターを脱ぐ背の細さを見てなどいない
平成三十一年一月四日
7
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本を積み牙城とします 愚かさを外に出さないための城です
平成三十一年一月三日
6
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切り詰めた爪にひそかにベージュ色を塗って私は息をしていく
平成三十一年一月一日
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寒いねとあなたが囁いたから、ほら、S子音くらい気温が下がる
平成三十年十二月二十八日
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健気さや気配りあたりを指標とし耐久試験は明日も続く
平成三十年十二月二十八日
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弾むよにとんとんとんと降りてった上履きの音の後の静けさ
平成三十年十二月二十七日
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